9日の東京株式市場は、続伸後もしっかりの展開か。
日経平均株価の予想レンジは、3万6900円-3万7500円を想定。(8日終値3万6928円63銭)
米国株は上昇。ダウ平均は254ドル高の41368ドルで取引を終えた。
現地8日の米国株高を受け、買い優勢スタートとなろう。きのう8日まで上値として意識されていた心理的なフシ目の3万7000円超えで、投資家心理の好転も期待される。
為替相場は、ドル・円が1ドル=145円台の後半(8日は144円31-33銭)、ユーロ・円が1ユーロ=163円台の後半(同163円03-07銭)と円安に振れている。輸出関連銘柄を中心に上昇を支えるとみられる。
シカゴ日経平均先物の円建て清算値は、8日の大阪取引所清算値比330円高の3万7470円だった。
【好材料銘柄】
■ソネック <1768>
前期経常が上振れ着地・今期は61%増益へ。
■ヒップ <2136>
今期経常は1%増益、前期配当を3円増額・今期は16円増配へ。
■インターメスティック <262A>
1-3月期(1Q)経常は58%増益で着地。4月既存店売上高は前年同月比9.0%増。
■木徳神糧 <2700>
1-3月期(1Q)経常は4.3倍増益で着地。また、6月30日現在の株主を対象に1→5の株式分割を実施。
■エイチームホールディングス <3662>
サンリオ <8136> と新作ゲームを共同開発することで合意。
■CRI・ミドルウェア <3698>
今期経常を41%上方修正・5期ぶり最高益、配当も5円増額。
■フレクト <4414>
今期経常は32%増で5期連続最高益更新へ。
■花王 <4452>
1-3月期(1Q)最終は39%増益で着地。
■ニコン <7731>
前期最終が上振れ着地・今期は4.9倍増益へ。
■MTG <7806>
上期経常が4.1倍増益で着地・1-3月期も3.9倍増益。
■ヤマハ <7951>
今期最終は2.1倍増益、実質増配へ。
■東和銀行 <8558>
前期経常を一転47%増益に上方修正、配当も5円増額。また、発行済み株式数(自社株を除く)の4.62%にあたる170万株(金額で10億円)を上限に自社株買いを実施。取得した自社株は26年2月27日付で全て消却する。
■NTTデータグループ <9613>
NTT <9432> がTOB(株式公開買い付け)を実施し、完全子会社化を目指す。TOB価格は1株4000円で8日終値を14.5%上回る水準。買い付け期間は5月9日から6月19日まで。
■燦ホールディングス <9628>
今期経常は9%増で2期連続最高益、前期配当を13円増額・今期は3円増配へ。また、クニカネクストの株式を取得し子会社化する
【主な経済指標・スケジュール】
9(金)
【国内】
オプションSQ
3月家計調査(8:30)
3月毎月勤労統計調査(8:30)
3月景気動向指数(14:00)
《決算発表》
NTT、リクルートHD、三菱重、三井不、パナソニックH、日本製鉄、ユニチャーム、クボタ、川重、旭化成、SBI、マツキヨココカラ、スクリン、明治HD、SGHD、住友鉱、ミネベアミツミ、しずおか、マクドナルド、JX金属、京成、東急不HD、ブラザー、住信SBIネ、F&LC、JR九州、ヒロセ電、東建物、日本ハム、八十二、日油、いよぎん、Jパワー、リンナイ、THK、DeNA、ホトニクス、小林製薬
【海外】
中国4月貿易収支
※株式スケジュールは予定の為、変更される場合があります。
8日のNYダウ工業株30種平均は続伸した。前日比254ドル48セント高の4万1368ドル45セントと4月2日以来の高値で終えた。
米国に追加関税を課された主要な貿易相手国との交渉での最初の合意案件を受け、ダウは一時650ドル超上昇した。日系証券筋は米英の発表を受け、週末にスイスで開かれる予定の米中貿易協議の進展期待も高まったと指摘した。
米労働省が朝方発表した新規失業保険申請件数は、前週比1万3000件減の22万8000件と、3週ぶりに改善した。申請件数は市場予想(ロイター通信調べ)の23万件も下回ったが、反応は限定的だった。
米英の関税交渉が成立したのに加え、米中貿易摩擦が緩和に向かうとの期待が投資家心理を支えた。ダウ平均の上げ幅は一時650ドルを超えたが、引け間際に伸び悩んだ。
トランプ米大統領が8日、英国との貿易協定を結ぶことで合意したと発表した。米国の英国に対する相互関税は4月2日に発表した税率と同じ、上乗せ分のない10%となる。英国からの輸入自動車については低関税枠を設け、鉄鋼への追加関税は0%とする。英国は非関税障壁を見直す。詳細については今後数週間以内に発表があるという。
トランプ氏はベッセント米財務長官らと中国高官が今週末にスイスで行う協議についても「良い週末になるだろう」と楽観的だった。記者団に対し、145%の対中関税が「これ以上上がることはない」とも語った。中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席と直接対話することにも前向きだった。
トランプ政権がバイデン前政権の人工知能(AI)半導体の輸出規制案の見直しを検討していると7日午後にブルームバーグ通信が報じ、米商務省が認めた。AI開発で米企業が競争力を維持できるとの見方から、半導体関連株にも買いが続いた。
主要株価指数は伸び悩んで終えた。ダウ平均は4月8日に付けた直近の安値から前日までに3400ドルあまり上昇していた。関税交渉の一段の進展を確認したい投資家が多く、持ち高調整や利益確定の売りが出た。
ダウ平均ではボーイングが高い。米英の貿易合意に伴い、英国が100億ドル程度のボーイング機を購入することが明らかになった。ウォルト・ディズニーやゴールドマン・サックスも買われた。アマゾン・ドット・コムなどハイテク株も全般に高かった。一方、ディフェンシブ株が売られ、メルクやコカ・コーラが下げた。
ナスダック総合株価指数は続伸した。前日比189.977ポイント(1.07%)高の1万7928.139(速報値)で終えた。テスラが高い。パランティア・テクノロジーズも上げた。
【シカゴ日本株先物概況】
8日のシカゴ日経平均先物は上昇した。6月物は前日比510円高の3万7470円で終えた。この日は日米の株式相場が上昇し、シカゴ市場の日経平均先物にも買いが活発となった。
シカゴ日経225先物 (円建て)
37470 ( +330 )
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
37535 ( +395 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
8日の英FTSE100種総合株価指数は続落し、前日比27.72ポイント(0.32%)安の8531.61で終えた。米関税の先行きに警戒感が根強い。英アストラゼネカなど製薬株が下げ、指数の重荷となった。
米英両政府は8日、2国間の貿易協定を締結することに合意したと発表した。だが市場では、現時点で「多くの点について詳細が曖昧」なうえ、米国が相互関税の基本税率とする10%の関税には変更がなさそうだとの指摘も出る。ドイツやフランスの株式相場上昇を支えにFTSE100種指数も前日比で高く推移する場面が目立ったものの、取引終了にかけて水準を切り下げた。
英イングランド銀行(中央銀行)が利下げを慎重に進めるとの見方から英金利が上昇したのも嫌気され、公益や不動産投資信託(REIT)が下落した。通信やたばこ株が下げた。他方、航空機エンジン大手の英ロールス・ロイス・ホールディングスなどの資本財関連に買いが優勢だった。エネルギーが上昇した。
FTSEの構成銘柄では、投資会社メルローズ・インダストリーズが5.21%高、エンジニアリング企業のIMIが5.13%高、同業ウィアーグループが4.07%高と大幅に上昇。一方、通信大手エアテル・アフリカは8.40%安、エネルギー小売り大手セントリカも7.57%安と急落し、指数を押し下げた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
8日のドイツ株価指数(DAX)は3営業日ぶりに反発した。前日比236.73ポイント(1.02%)高の2万3352.69と3月18日以来、約1カ月半ぶりの高値で終えた。貿易を巡る米国と中国などの協議が進展するとの期待が投資家心理を支えた。好業績を示した銘柄への買いも指数を押し上げた。
個別では、同日に25年1〜3月期決算を公表したセメント大手ハイデルベルク・マテリアルズが4.80%高、通販大手ザランドが4.49%高、8日公表した2025年1〜3月期決算が前年同期比で大幅な増収増益となった防衛大手ラインメタルが4.13%高と買われた半面、自動車大手メルセデス・ベンツは5.78%安、ハノーバー再保険は2.78%安、不動産大手ボノビアは1.68%安となった。
■フランス・パリ株価指数
フランスの株価指数CAC40は4営業日ぶりに反発し、前日比0.88%高で終えた。