
前週末5日の米国株式市場は軟調に推移。雇用統計を受け早期利下げ期待が強まり、寄り付き後、上昇。ただ、同時に予想を大幅に下回った結果で、景気後退入りを警戒した売りに押され、相場は下落に転じた。
終日売り買いが交錯し、終盤にかけて下げ幅を縮小し、終了した。
米株式市場の動向を横目に、本日の日経平均は続伸して取引を開始した。前場は、7日に石破首相が辞任表明したことで財政拡張派の新政権誕生に期待する動きが強まり、買いが先行。ただ、4万3800円台に到達すると上値の重い展開となり、その後は大引けまで4万3600円台でもみ合う展開となった。
政治の混乱で日銀が利上げに一段と慎重になるとの見方もあり、円安により輸出企業の業績が改善するとの期待も広がった。一方、高値圏では主力株に利益確定売りが出ており、来週に日米の中央銀行の金融政策決定会合を控えるなか、一段高の動きには期待しづらかった。
石破茂首相が7日に辞意を表明したことを受けて、次期総裁が財政拡張的な政策に傾くとの思惑から、株価指数先物に買いが優勢だった。日経平均の上げ幅は800円を超え、8月18日に付けた最高値(4万3714円)を上回って推移する場面があった。
東証株価指数(TOPIX)は3日続伸し、32.89ポイント(1.06%)高の3138.20と8月18日の水準(3120.96)を上回り、最高値を更新した。
石破首相は7日、首相官邸で緊急記者会見を開き「自民党総裁を辞する」と表明した。8日の東京外国為替市場で円相場は1ドル=148円台と、前週末5日のニューヨーク市場の終値から1円ほど円安の水準で推移する場面が目立った。海外投資家による先物買いが主導するかたちで、幅広い銘柄に買いが入った。
自民党が後継の総裁を選ぶ総裁選の手続きについて「国会議員と党員・党友が投票する『フルスペック』形式で行う方向で調整に入った」と8日に伝わった。2024年9月の総裁選で上位になった小泉進次郎農相や高市早苗前経済安全保障相が立候補するかどうかが関心を集める。防衛費増額の期待から三菱重工など防衛関連が買われた。政局に突入すると日銀による追加利上げの時期が遠のくとの見方から、三井不動産など不動産株が上昇し、銀行株は下げる場面があった。
5日の米NYダウ工業株30種平均は反落した。5日発表の8月の米雇用統計が労働市場の減速を示したと受け止められ、高値圏にあった米株は売りが優勢だった。日本株も上値では利益確定売りが出て伸び悩んだ。