24日の東京株式市場は、続伸後も堅調展開か。
日経平均株価の予想レンジは、4万900円-4万1700円を想定。(23日終値4万1171円32銭)
米国株は上昇。ダウ平均は507ドル高の45010ドルで取引を終えた。米国と日本が関税交渉で合意に至ったことに加え、フィナンシャル・タイムズ(FT)が米国とEUの関税交渉で合意が近いと報じたことも追い風となった。
現地23日の米国株高を支えにきのうの強い地合いが継続するとみられる。日経平均株価が心理的なフシ目の4万円を大きく超えたことで投資家心理が好転し、自動車関連株を中心に上値を試す場面も想定される。
為替相場は、ドル・円が1ドル=146円台の半ば(23日は146円73-75銭)とやや円高に振れる一方、ユーロ・円が1ユーロ=172円台の半ば(同172円28-32銭)と小動き。
シカゴ日経平均先物の円建て清算値は、23日の大阪取引所清算値比420円高の4万1640円だった。
【好材料銘柄】
■ファンデリー <3137>
「楽天マート」で国産ハイブランド冷食「旬をすぐに」の販売を開始。
■フライトソリューションズ <3753>
マルチ決済装置の新モデル「Incredist Premium 3」の大口受注を獲得。26年3月期の業績予想には織り込み済み。
■KOA <6999>
今期経常を一転38%増益に上方修正。
■信越ポリマー <7970>
非開示だった今期経常は6%増で2期連続最高益、未定だった配当は4円増配。
【主な経済指標・スケジュール】
24(木)
【国内】
《決算発表》
中外薬、信越化、キヤノン、三菱自、MARUWA、富通ゼネ、未来工業、カワチ薬品、ナガセ、小松ウオル、空港施設、サーティワン、綿半HD、エイトレッド、SEH&I、光世証、植松商
【海外】
ECB定例理事会(ラガルド総裁会見)
米6月新築住宅販売件数(23:00)
《米決算発表》
インテル、ダウ、ハネウェル・インターナショナル、サウスウエスト航空、モービルアイ・グローバル、ニューモント、ユニオン・パシフィック、ブラックストーン
※株式スケジュールは予定の為、変更される場合があります。
23日のNYダウ工業株30種平均は続伸し、前日比507ドル85セント(1.14%)高の4万5010ドル29セントで終え、半年ぶりに年初来高値を更新した。2024年12月以来の高値。
トランプ米大統領は22日夜、日本との関税交渉が合意に達したと発表。日本からの輸入品に課す相互関税は15%とし、自動車・同部品関税を27.5%から15%に引き下げる。一方で日本側は最大5500億ドル(約80兆円)の公的な金融支援により、日本企業の米国への投資を後押しするほか、米国産のコメなどの輸入を拡大する。
日米の合意を受けて、米国と各国との交渉が加速することへの期待が高まり、相場を押し上げた。ダウは昨年12月上旬に付けた終値ベースの過去最高値に迫った。
英紙フィナンシャル・タイムズはこの日、米国と欧州連合(EU)が通商合意に近づいていると報じた。
株買いの勢いが一段と強まった。ダウ平均は取引終了間際に24年12月につけた最高値(4万5014ドル)を上回る場面があった。
23日、米国とEUが貿易協議で合意に近づいていると報じた。報道によると、米国はEUに対する関税を当初予定の30%から15%に引き下げる。米国とEUは互いに航空機や医療機器など一部分野の関税を免除する方針だという。関税交渉期限の8月1日に近づくなか、主要な貿易相手との関税交渉が前進し、米経済への悪影響が軽減されるとの見方につながった。
ハイテク株が主導する形で米株相場は上値を切り上げる展開が続いている。株価上昇に乗り遅れないようにするための投資家の買いが入りやすいとの指摘もあった。
ダウ平均の構成銘柄では、米国とEUの関税交渉を巡る報道を受け、ボーイングが2.3%高で終えた。メルクやユナイテッドヘルス・グループが上昇した。キャタピラーやゴールドマン・サックスも上げた。半面、トラベラーズとコカ・コーラが下げた。
ナスダック総合株価指数は反発した。前日比127.332ポイント(0.60%)高の2万1020.017(速報値)で終え、2日ぶりに最高値を更新した。メタプラットフォームズや半導体のブロードコムが上昇した。半面、半導体のテキサス・インスツルメンツ(TI)が13.3%安と大きく下げた。22日夕に25年4〜6月期決算とあわせて発表した7〜9月期の収益見通しが慎重との受け止めから売りが膨らんだ。
S&P500種株価指数は前日比49.29ポイント(0.78%)高の6358.91で終え、3日連続で最高値を更新した。
【シカゴ日本株先物概況】
23日のシカゴ日経平均先物は上昇した。9月物は前日比2030円高の4万1640円で終えた。この日は日米関税交渉の合意を受けて日経平均株価と米主要株価指数が大幅に上昇し、シカゴ市場の日経平均先物にも買いの勢いが強まった。
シカゴ日経225先物 (円建て)
41640 ( +420 )
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
41700 ( +480 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
23日の英FTSE100種総合株価指数は5日続伸し、最高値を再び更新した。終値は前日比37.68ポイント(0.41%)高の9061.49となった。日米の関税交渉が合意に達したことを受け、投資家心理が上向いた。22日のアジア主要株式相場の上昇も支えに、英国株には買いが優勢となった。
FTSEの構成銘柄では、22日公表した2025年1〜6月期の業績が市場予想を上回ったビジネス情報会社インフォーマが4.94%高、小売り大手JDスポーツ・ファッションが4.64%高、製薬大手アストラゼネカが3.11%高と相場をけん引。一方、エネルギー小売り大手セントリカは3.26%安、エネルギー大手SSEは2.94%安、水道サービス会社ユナイテッド・ユーティリティーズは2.44%安と売られた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
23日のドイツ株価指数(DAX)は反発し、前日比198.92ポイント(0.82%)高の2万4240.82で終えた。日米の関税交渉が合意に達したことを受け、米関税政策に対する警戒感が和らいだ。22日のアジアの主要株式相場の上昇も支えに、投資家が運用リスクをとりやすくなるとの見方が広がった。
個別では、商用車大手ダイムラー・トラックが7.32%高、高級車メーカーのポルシェが6.72%高、エネルギー大手シーメンス・エナジーが6.35%高と急伸。半面、22日に増収増益の四半期決算を公表しながらも、2025年12月通期の業績見通しを据え置いた業務用ソフトウエア大手SAPは4.10%安、半導体大手インフィニオン・テクノロジーズは3.53%安、エネルギー大手イーオンは2.72%安で取引を終えた。
■フランス・パリ株価指数
フランスの株価指数CAC40は3営業日ぶりに反発し、前日比1.36%高で終えた。