25日の東京株式市場は、軟調な展開か。
日経平均株価の予想レンジは、4万1300円-4万1900円を想定。(24日終値4万1826円34銭)
米国株はまちまち。ダウ平均が下落し、S&P500とナスダックが上昇した。ダウ平均は316ドル安の44693ドルで取引を終えた。
日経平均株価は22日の終値(3万9774円)からきのう24日の終値(4万1826円)まで2000円を超える上昇となっていることから短期的な過熱感が警戒される。
また、週末要因も重なることから、利益確定売りに押されそうだ。ただ、上昇ペースが早かっただけに、買い遅れている投資家による押し目買いも見込まれる。
為替相場は、ドル・円が1ドル=147円台の前半(24日は146円41-42銭)、ユーロ・円が1ユーロ=172円台の後半(同172円20-24銭)と円安方向に振れており、輸出関連銘柄には支えとなりそう。
シカゴ日経平均先物の円建て清算値は、24日の大阪取引所清算値比265円安の4万1605円だった。
【好材料銘柄】
■ファンデリー <3137>
「楽天マート」で国産ハイブランド冷食「旬をすぐに」の販売を開始。
■フライトソリューションズ <3753>
マルチ決済装置の新モデル「Incredist Premium 3」の大口受注を獲得。26年3月期の業績予想には織り込み済み。
■KOA <6999>
今期経常を一転38%増益に上方修正。
■信越ポリマー <7970>
非開示だった今期経常は6%増で2期連続最高益、未定だった配当は4円増配。
【主な経済指標・スケジュール】
25(金)
【国内】
7月東京都区部消費者物価指数(CPI)(8:30)
6月企業向けサービス価格指数(8:50)
《決算発表》
ファナック、ルネサス、スクリン、ミスミG、九電工、七十七、ほくほく、アマノ、第四北越、ジャフコG、伊勢化、阿波銀、メタウォーター、エスコン、ホギメディ、太平洋、日本電技、SBIGアセット、極東証券、椿本興、ジェコス、東光高岳、日精線、石原ケミカル、三晃金、ブルドック、ヒガシHD、高純度化、大丸エナ、オーゼックス、東会舘、TOYOイノベ、PLANT、モバファク、テクノHR、小野測、今村証券
【海外】
独7月Ifo景況感指数(17:00)
米6月耐久財受注(21:30)
《米決算発表》
フィリプス66、センティーン、エーオン、チャーター・コミュニケーションズ、HCAホールディングス
※株式スケジュールは予定の為、変更される場合があります。
24日のNYダウ工業株30種平均は3日ぶりに反落し、前日比316ドル38セント(0.70%)安の4万4693ドル91セントで終えた。
IBMが前日引け後に発表した2025年4~6月期決算は、生成AI(人工知能)関連が好調だったものの、ソフトウエア部門の業績が予想を下回った。これが嫌気された同株は7%超安と急落。相場の足を引っ張った。
増収増益決算だった米複合企業ハネウェル・インターナショナルも6%超安と振るわなかった。通期業績予想は上方修正されたが、「トランプ米政権の高関税政策の影響」(市場参加者)が懸念され、売りが先行した。
日米関税交渉合意を好感した買いが膨らみ、ダウは23日、昨年12月に付けた史上最高値に迫った。この日は高値警戒感から利食い売りが進んだことも相場を抑えた。
ダウ平均は前日に507ドル上昇し、年初来高値を更新していた。24日は主力株の一角に目先の利益を確定する売りが出やすかった。
一方、ハイテクや半導体株には買いが優勢になり、株式相場を支えた。ダウ平均の構成銘柄ではないが、23日夕に市場予想を上回る決算を発表したアルファベットが買われた。クラウド事業の伸びが加速し、25年の設備投資額の見通しは引き上げた。目標株価を引き上げるアナリストも多かった。
クラウドを手掛け、人工知能(AI)に積極的に投資するアマゾン・ドット・コムやマイクロソフトも上昇した。AI向け半導体の需要の強さも意識され、エヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)、ブロードコムなども買われた。市場では「AI銘柄が株高を支える流れが当面続きそうだ」との見方があった。
米国と貿易相手による関税交渉を巡っては、日本に続いて、欧州連合(EU)も合意が近いと報じられている。相互関税の上乗せ分の発動停止期限となる8月1日が近づくなか、協議の進展期待は投資家心理を支えた。ただ、トランプ米大統領は23日、相互関税が「15〜50%の範囲になる」とも述べており、依然として関税を巡る不透明感はくすぶった。
そのほかの個別銘柄ではナイキやマクドナルド、ボーイングが売られた。半面、シェブロンやウォルマートは買われた。
ナスダック総合株価指数は続伸し、前日比37.942ポイント(0.18%)高の2万1057.959(速報値)で終えた。連日で最高値を更新した。大手ハイテク株や半導体株の一角が買われたなか、テスラは8%あまり下げた。前日夕に四半期決算の発表と併せて、今後数四半期が厳しい事業環境になる可能性を示した。
S&P500種株価指数は前日比4.44ポイント(0.06%)高の6363.35(速報値)で終えた。4日連続で最高値を更新した。
【シカゴ日本株先物概況】
24日のシカゴ日経平均先物は下落した。9月物は前日比35円安の4万1605円で終えた。前日に大幅に上昇していたこともあり、売りがやや優勢となった。
シカゴ日経225先物 (円建て)
41605 ( -265 )
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
41655 ( -215 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
24日の英FTSE100種総合株価指数は6日続伸し、最高値を更新した。終値は前日比76.88ポイント(0.84%)高の9138.37だった。業績や見通しについて投資家の安心感を誘う個別材料を公表した銘柄に買いが入り、指数を押し上げた。
FTSEの構成銘柄では、2025年4〜6月期の調整済みEBITDA(利払い・税引き・償却前利益)が市場予想を上回った通信大手BTが10.43%高、25年12月期の売上高見通しの下限を引き上げた生活用品大手レキット・ベンキーザーが9.96%高、システムキッチンメーカーのハウデン・ジョイナリーが8.92%高と急伸。一方、エネルギー大手SSEは3.16%安、保険大手ビーズリーは2.25%安、産金大手フレスニロは2.05%安と売られた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
24日のドイツ株価指数(DAX)は続伸し、前日比55.11ポイント(0.22%)高の2万4295.93で終えた。米国と欧州連合(EU)の関税協議が進展するとの期待が投資家心理を支えた。朝方には2万4514まで上昇し、7月9日につけた最高値(2万4549)に迫る場面があった。
個別では、24日公表した2025年4〜6月期決算が市場予想を上回ったドイツ銀行に買いが集まりドイツ銀行が9.13%高、通信大手ドイツテレコムが5.05%高、医療機器のシーメンス・ヘルシニアーズが2.97%高と相場をけん引。半面、航空機エンジン大手MTUエアロ・エンジンズは5.06%安、半導体大手インフィニオン・テクノロジーズは4.24%安、防衛大手ラインメタルは1.77%安と下げが目立った。
■フランス・パリ株価指数
フランスの株価指数CAC40は反落し、前日比0.40%安で終えた。リストラ費用が響いて25年4〜6月期が最終赤字となったスイスの半導体大手STマイクロエレクトロニクスが急落。3Dソフトウエアの仏ダッソー・システムズの下げも目立った。半面、金融が上昇した。