6日の東京株式市場は、弱含みの展開か。
日経平均株価の予想レンジは、3万7400円-3万7800円を想定。(5日終値3万7554円49銭)
米国株は下落。ダウ平均は108ドル安の42319ドルで取引を終えた。
現地5日の米国株安を受け、売り先行スタートが見込まれる。週を通して上値の重い動きが続いていることや新規の買い手がかりに乏しいことから、積極的に買いを入れる投資家は少ないとみられる。消去法的に値動きの軽い中小型株への物色が中心になりそう。
為替相場は、ドル・円が1ドル=143円台の半ば(5日は143円34-36銭)と小動きの一方、ユーロ・円が1ユーロ=164円台の前半(同163円59-63銭)と円安方向に振れている。
シカゴ日経平均先物の円建て清算値は、5日の大阪取引所清算値比35円安の3万7485円だった。
【好材料銘柄】
■シリコンスタジオ <3907>
任天堂 <7974> に対し、「ニンテンドースイッチ2」の性能・機能を活用したゲームタイトル開発のための環境構築で協力。
■アイズ <5242>
投資家向け動画メディアを展開するIR RoboticsとYoutube運営で業務提携。
■トーセイ <8923>
ダルトン インベストメンツが5日付で大量保有報告書を提出。ダルトンのトーセイ株式保有比率は5.00%となり、新たに5%を超えたことが判明した。
【主な経済指標・スケジュール】
6(金)
【国内】
4月家計調査(8:30)
4月景気動向指数(14:00)
《決算発表》
カナモト、クミアイ化、日駐、ソフトウェアサー、アイル、ハイレックス、フジコーポ、エターナルホスヒ、日本スキー、エイチームHD、大和コン、メディ総研
【海外】
米5月雇用統計(21:30)
米4月消費者信用残高(6/7 4:00)
休場:韓国
※株式スケジュールは予定の為、変更される場合があります。
5日のNYダウ工業株30種平均は続落し、前日比108ドル00セント(0.25%)安の4万2319ドル74セントで終えた。
トランプ米大統領と中国の習近平国家主席はこの日、電話会談し、貿易政策などについて協議した。トランプ氏は終了後、SNSに「非常に前向きな結論に至った」と投稿。米中貿易摩擦が緩和に向かうとの期待感が広がり、ダウはプラス圏に浮上する場面もあった。
ただ、米政権の高関税政策で雇用減速が避けられないとの警戒感も依然として根強く、5月の雇用統計の内容を見極めたいとの思惑から売り買いが交錯。取引終盤にダウは再びマイナス圏に沈んだ。
実業家イーロン・マスク氏が率いる電気自動車(EV)大手テスラは14%超安と急落した。トランプ氏は、大型減税関連法案に批判を強めるマスク氏について「非常に失望した」と発言。同社などを政府調達から外す考えを示唆したことで売り込まれた。
5日発表の週間の新規失業保険申請件数は24万7000件と、ダウ・ジョーンズ通信が集計した市場予想(23万6000件)を上回った。前日発表の5月のADP全米雇用リポートに続いて労働市場の軟化を示す内容で、米景気の先行き不安が意識された。
6日には5月の米雇用統計が発表される。市場では「労働需要の鈍化や政府機関の人員削減が影響する」との見方がある。プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)は5日に7000人を削減する方針を明らかにし、労働市場に対する懸念を強めた面がある。
ダウ平均の構成銘柄ではないが、テスラ株が14%安と急落し米株相場を下押しした。CEOのマスク氏とトランプ米大統領が互いに非難を重ねており、米国での政策的な後押しへの期待が薄れた。トランプ氏は5日午後には自身のSNSにマスク氏の事業に対する補助や契約の打ち切りを示唆するような書き込みをした。
ただ、ダウ平均の下値は堅かった。トランプ氏と中国の習近平国家主席は5日、貿易問題を巡って電話協議した。トランプ氏は自身のSNSに「とても良い電話だった」と記し、停滞していた交渉が前進するとの観測が広がった。トランプ氏は「協議は両国にとって非常に前向きな結論に至った」とも説明した。
ダウ平均の構成銘柄ではP&Gが下げたほか、ユナイテッドヘルス・グループやウォルマート、ボーイングに売りが出た。半面、セールスフォースやゴールドマン・サックス、マイクロソフトは上昇した。
ナスダック総合株価指数は4日ぶりに反落した。前日比162.041ポイント(0.83%)安の1万9298.448で終えた。アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)やメタプラットフォームズが下げた。
【シカゴ日本株先物概況】
5日のシカゴ日経平均先物は下落した。6月物は前日比95円安の3万7485円で終えた。この日は日米の株式相場が下落したため、シカゴ市場の日経平均先物にも売りが優勢となった。
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
5日の英FTSE100種総合株価指数は小幅ながら5日続伸した。前日比9.75ポイント(0.11%)高の8811.04と、3月上旬以来3カ月ぶりの高値で終えた。貿易を巡る米中協議が進展に向かうとの期待が、投資家心理を支えた。
トランプ米大統領と中国の習近平主席が5日に電話で協議した。トランプ氏は自身のSNSで「非常に良い電話協議を終えた」などと投稿した。詳細は明らかにしなかったものの、市場では「良い兆候が示唆された」との受け止めが聞かれた。
国際商品市場での銅先物や銀の堅調な推移を背景に、鉱業のアントファガスタなど資源株が買われた。ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)といったたばこ、製薬にも買いが優勢だった。半面、英長期金利の上昇を受け、不動産投資信託(REIT)や住宅建設が下落した。
FTSEの構成銘柄では、産銅大手アントファガスタが5.27%高、産金大手フレスニロが4.99%高、防衛大手バブコック・インターナショナル・グループが3.66%高と大幅に上昇。一方、酒造大手ディアジオは4.19%安、広告大手WPPは4.09%安、流通大手セインズベリーは3.52%安となった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
5日のドイツ株価指数(DAX)は3日続伸した。終値は前日比47.10ポイント(0.19%)高の2万4323.58と、前日に続き最高値を更新した。5日のアジア市場で中国・上海や香港などの株式相場が上昇したのを受け、ドイツ株に買いが先行した。
午後に欧州中央銀行(ECB)が市場予想通りとなる0.25%の利下げを発表した。ラガルドECB総裁が記者会見で、いまの金融緩和政策のサイクルが「終了に近づいている」との認識を示すと、追加利下げへの期待が後退しDAXは上げ幅を縮小した。
個別では、製薬大手バイエルが4.38%高、コメルツ銀行が3.48%高、セメント大手ハイデルベルク・マテリアルズが3.12%高と買われた半面、航空機大手エアバスは2.82%安、香料大手シムライズは1.60%安、エネルギー大手イーオンは1.19%安で引けた。
■フランス・パリ株価指数
フランスの株価指数CAC40は3日ぶりに反落し、前日比0.18%安で終えた。