【寄り付き概況】
16日の日経平均株価は続伸で始まった。始値は前週末比180円73銭高の4万4948円85銭。
前週末まで日経平均は3日続伸し、この間に1300円あまり水準を切り上げており、目先高値警戒感が拭えないなかも頑強展開を維持している。ただ、前日の米国株市場ではハイテク株中心に物色意欲が旺盛であり、ナスダック総合株価指数は6連騰でなおかつ6日連続の最高値更新が続いていることは東京市場にも追い風となりそうだ。米国で17日までの日程で行われるFOMCの結果を見極めたいとの思惑や国内では自民党総裁選の行方が意識されやすいほか、足もとの為替動向などに影響を受ける可能性もあるだろう。
東証株価指数(TOPIX)は続伸している。
個別では、TDKやディスコ、スクリンが高い。フジクラやソシオネクス、村田製が上昇した。トヨタやニデック、HOYAが買われた。一方、ファストリが安い。任天堂やバンナムHDが下落した。日東電やテルモが売られた。
09月16日 相場展望(寄り付き前)
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【オープニングコメント】
堅調展開か |
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16日の東京株式市場は、前週末12日の史上最高値更新の動きが継続し、堅調な展開となりそう。また、米政府は現地15日、日本時間の16日午後1時1分に日本に対する自動車・自動車部品関税を15%に引き下げると発表。引き下げ時期が明確になったことから、自動車関連銘柄に見直しの動きが進みそうだ。
日経平均株価の予想レンジは、4万4500円-4万5000円を想定。(12日終値4万4768円12銭)
米3指数は先週末の12日はまちまちで、週明けの15日は上昇した。ダウ平均は12日に273ドル安となり、15日は49ドル高の45883ドルで取引を終えた。
為替相場は、ドル・円が1ドル=147円台の前半(前週末12日は147円45-47銭)と小動きの一方、ユーロ・円が1ユーロ=173円台の半ば(同173円11-15銭)とやや円安方向にある。
シカゴ日経平均先物の円建て清算値は、同12日の大阪取引所清算値比155円高の4万4635円だった。
【好材料銘柄】
■アストロスケールホールディングス <186A>
5-7月期(1Q)最終は赤字縮小で着地。
■ホリイフードサービス <3077>
今期経常を2.7倍上方修正。8月既存店売上高は12.7%増。
■ブッキングリゾート <324A>
遊休資産、不動産、小規模旅館・ホテルを対象とした「施設再生・リセール事業」を開始。29年4月期にセグメント売上高37億円、営業利益4.7億円を目指す。また、株主優待制度を導入。毎年4月末時点で100株以上を保有する株主を対象に、施設利用割引券(保有株数に応じて1万~16万円分)を贈呈する。1000株以上保有者には無料抽選券を追加する。5-7月期(1Q)経常は1.1億円で着地。
■JMホールディングス <3539>
今期経常は8%増で5期連続最高益、前期配当を2円増額・今期は実質増配。10月31日現在の株主を対象に1→2の株式分割を実施。
■PR TIMES <3922>
上期経常を29%上方修正。
■シャノン <3976>
11-7月期(3Q累計)営業がトントンに回復で着地・5-7月期は黒字浮上。
■ブレインズテクノロジー <4075>
今期経常は36%増で4期ぶり最高益更新へ。
■ジャストプランニング <4287>
上期経常が36%増益で着地・5-7月期も44%増益。
■リベルタ <4935>
12月31日現在の株主を対象に1→5の株式分割を実施。
■楽待 <6037>
今期経常は14%増で5期連続最高益、3円増配へ。また、発行済み株式数(自社株を除く)の2.48%にあたる50万株(金額で7億5000万円)を上限に自社株買いを実施する。買い付け期間は9月16日から12月15日まで。
■明治機械 <6334>
大手配合飼料メーカーから加工設備更新に伴う大型プラント工事を受注。
■クラシコム <7110>
今期経常は33%増で2期ぶり最高益、前期配当を11円増額・今期も48円継続へ。
■ニチリョク <7578>
総合葬祭業を営む金宝堂と業務提携。
■シルバーライフ <9262>
今期経常は15%増で6期ぶり最高益、2円増配へ。また、株主優待制度を再開。毎年1月末時点で200株以上を保有する株主を対象に、自社商品ライフミールECサイト商品券5000円相当を贈呈する。
■関通 <9326>
上期経常を一転黒字に上方修正。また、株主優待制度を導入。25年11月末時点で700株以上を保有する株主を対象に、保有株数に応じて株主優待ポイント(保有株数に応じて3000~7万ポイント)を付与する。26年以降は毎年8月末を基準日とする。
【主な経済指標・スケジュール】
16(火)
【国内】
《決算発表》
パーク24、アスクル、テラドローン、アセンテック、トウキョベース、LeTech、システムディ、tripla、プロレド、プラネット、Mマート、多摩川HD、学びエイド
【海外】
独9月ZEW景況感指数(18:00)
FOMC(~9/17)
米8月小売売上高(21:30)
米8月輸出物価指数(21:30)
米8月輸入物価指数(21:30)
米8月鉱工業生産(22:15)
米8月設備稼働率(22:15)
米9月NAHB住宅市場指数(23:00)
米20年国債入札
※株式スケジュールは予定の為、変更される場合があります。
09月15日 NY株/欧州株概況
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【市況】反発49ドル高、ハイテク株高が支pえ |
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15日のNYダウ工業株30種平均は小幅に反発し、前週末比49ドル23セント(0.10%)高の4万5883ドル45セントで終えた。
米国と中国が15日まで開いた閣僚級会議や米国の利下げ観測が株買いを誘った。一方、主要株価指数が高値圏で推移するなか、主力株の一部には利益を確定する売りも出てダウ平均の上値を抑えた。
米連邦準備理事会(FRB)は6会合ぶりに利下げ再開に踏み切ることが確実視されている。利下げが景気浮揚につながるとの見方が根強い一方、FRBが会合後に示す経済見通しの内容などを見極めたいとの思惑から、ダウは売り買いが交錯した。
トランプ米大統領はこの日、中国の習近平国家主席と19日に会談すると表明した。米中貿易協議が進展するとの期待感が広がったことが相場の下値を支えた。
IT大手グーグルの親会社アルファベットは4.5%高で引け、時価総額が3兆ドル(約440兆円)に達した。人工知能(AI)の成長見通しやグーグルの事業解体が事実上避けられた司法判断などが追い風となり、ナスダックが押し上げられた。投資家が重視するS&P500種株価指数も最高値を塗り替えて取引を終えた。
米中両政府は14〜15日にスペインで4回目の閣僚級会合を開いた。中国発の動画共有アプリ「TikTok(ティックトック)」の米国事業の売却などについて議論した。ベッセント米財務長官は会合後に記者団に対し、売却を巡って「合意の枠組みが整った」と明らかにした。トランプ米大統領は自身のSNSで会合がうまくいったと投稿し、19日に習近平国家主席と直接話すという。
主力ハイテク株への買いが目立ったことも市場心理を支えた。ダウ平均の構成銘柄ではないが、テスラが一時7%あまり上昇した。米証券取引委員会(SEC)への届け出でイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が12日にテスラ株をあわせて約10億ドル相当取得したことが明らかになり、材料視された。
ただ、ダウ平均は小幅に下げる場面もあった。FOMC後に公表される参加者の政策金利見通し(ドットチャート)のほか、パウエル議長の記者会見が注目されている。「今回の会合での利下げは織り込まれているが、今後のペースを見極めたい」との雰囲気は強い。主要株価指数が高値圏にあるなか、主力株の一角には持ち高調整や利益確定売りも出て指数の重荷となった。
ダウ平均の構成銘柄ではアマゾン・ドット・コムやアップル、マイクロソフトが上昇した。IBMやキャタピラー、ゴールドマン・サックスも高い。半面、メルクやマクドナルド、シャーウィン・ウィリアムズは売られた。エヌビディアはわずかに下げた。中国当局が15日に同社の過去のイスラエル企業の買収が独占禁止法などに違反したと発表。初期段階の調査に基づいた判断で、さらに調査を進めるという。
ナスダック総合株価指数は6日続伸した。前週末比207.647ポイント(0.93%)高の2万2348.750で終え、6営業日連続で最高値を更新した。メタプラットフォームズやブロードコムなども買われた。
S&P500種株価指数は反発し、前週末比30.99ポイント(0.47%)高の6615.28で終えた。初めて6600台で取引を終え、11日以来となる最高値を更新した。
【シカゴ日本株先物概況】
15日のシカゴ日経平均先物は上昇した。12月物は前週末比210円高の4万4635円で終えた。この日は東京市場が祝日で休みだった一方で米株式相場がハイテク株主導で上昇したため、シカゴ市場の日経平均先物には買いが優勢となった。
シカゴ日経225先物 (円建て)
44635 ( +155 )
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
44740 ( +260 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
15日の英FTSE100種総合株価指数は前週末比横ばい圏で終えた。終値は同6.26ポイント(0.06%)安の9277.03だった。18日にイングランド銀行(中央銀行)が金融政策委員会の結果を公表する。16〜17日に英国の労働市場や物価に関連する指標が発表されるほか、17日には米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果公表も控える。相次ぐ重要材料の内容を見極めたいと様子見の空気が広がった。
FTSEの構成銘柄では、エネルギー小売り大手セントリカが4.08%高、流通大手セインズベリーが3.45%高、物流施設大手セグロが3.38%高と買われた。他方、製薬大手アストラゼネカは3.22%安、通信大手エアテル・アフリカは2.01%安、通信大手BTは1.90%安となった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
15日のドイツ株価指数(DAX)は反発し、前週末比50.71ポイント(0.21%)高の2万3748.86で終えた。16〜17日に開かれる米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げが決まるとの期待が、投資家心理を支えた。ただし10月以降の米金融政策を予想するうえで今週発表される内容を慎重に見極めたいとする投資家も多く、DAXが上値を追う勢いは限られた。
個別では、防衛大手ラインメタルと半導体大手インフィニオン・テクノロジーズが2.82%高、エネルギー大手シーメンス・エナジーが2.77%高、医療機器のザルトリウスが2.70%高と上昇。半面、業務用ソフトウエア大手SAPは2.83%安、製薬大手バイエルは2.03%安、香料大手シムライズは1.42%安と売られた。
■フランス・パリ株価指数
欧州株式市場でフランスの株価指数CAC40は6日続伸し、終値は前週末比0.91%高の7896.93と8月22日以来、約3週間ぶりの高値で終えた。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンを含む高級ブランドや、仏ソシエテ・ジェネラルなど金融株が買われた。他方、製薬のサノフィやコンサルティング会社キャップジェミニが売られた。