日経平均が終始プラス圏で推移したものの、方向感が見えにくく3万9000円台前半で上下動を繰り返す形となった。
前日の米国株市場ではハイテク株が買い戻され、ナスダック総合株価指数が大きくリバウンドした。
これを受けて東京株式市場でも朝方はリスク選好ムードのなか買い優勢でスタートしたが、寄り後早々にこの日の高値をつけ、前場は伸び悩んだ。米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を控え、積極的な買いが入りにくかった面もある。
しかし、後場取引終盤にはオランダのASMLホールディング<ASML>が発表した決算が好調だったことを受け、半導体関連が買い直される形となり、つれて日経平均も上げ足を強めた。日経平均は400円近い上昇で引けたが、個別株でみると値上がり銘柄数は全体の52%を占めるにとどまっている。
値がさのファーストリテイリングやソフトバンクグループ(SBG)のほか、東京エレクトロン、アドバンテストの上昇が指数を押し上げた。オランダの半導体製造装置ASMLホールディングが29日に発表した決算が好調との受け止めから、15時過ぎにかけて東京エレクトロンは強含んだ。レーザーテクにも買いが入る場面があった。
前日に急落したアドバンテストについては大引け後に2024年4〜12月期決算の発表を控えてひとまず買い戻しが入った。ただ、中国の人工知能(AI)開発企業DeepSeek(ディープシーク)が低コストのAIモデルを開発したことをきっかけに、AI向けの半導体投資に対する過度な期待は後退しているとの見方が根強いなかでアドバンテストは下げに転じる場面もあった。
日経平均は海外勢による買い戻しが主導して朝方に430円ほど上昇した後は伸び悩む場面が目立った。業種別では医薬品株で下落する銘柄が多かったほか、昼休み中に決算を発表した信越化は後場に入って売りに押された。一方、輸送用機器や鉄鋼といった割安株には国内機関投資家などによる買いが入った。
さて、東京株式市場は中国のディープシークショックをひとまず吸収して落ち着きを取り戻す展開に。ただ、不透明感も残り上値はやや重めとなってしまった。日経平均は下値3万8000円〜上値4万円の元のボックスレンジに戻ってしまったが、トピックスの方は着々と下値を切り上げて続伸しており、相場の方向性としては緩やかに上を目指す安定基調といえそうだ。