米中貿易交渉の進展期待や英国の欧州連合(EU)離脱期限の延長合意を受けて買い安心感が強まり、朝方から高い水準で推移した。取引時間中として2018年10月11日以来、約1年ぶりに2万3000円台に乗せる場面もあった。
米株式市場でS&P500種株価指数は過去最高値を更新した。米中貿易交渉の進展を示唆するトランプ米大統領の発言が伝わり、投資家のリスク許容度が一段と高まった。外国為替市場で円相場は1ドル=109円近辺まで円安・ドル高が進行。東京株式市場では輸出企業の業績悪化懸念が後退したと受け止められ、自動車株などが買われた。米長期金利の上昇を受け利ざや改善期待が広がった銀行株などバリュー(割安)株も堅調だった。
投資家心理の改善を示す一例が決算への株価の反応だろう。日東電工の9月中間決算は連結営業利益が前年同期比で2割減ったが、会社の予想値は上回ったとして株価は急伸した。ミスミグループ本社も減益決算の発表が「悪材料出尽くし」とみなされて株価は大幅に上昇しており、「投資家は何か良いところを探していた」という。
ただ、連騰による過熱感があった上、米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えて様子見姿勢も出た。日経平均は2万3000円を超えると頭打ちとなり、上値の重さが目立つ一日だった。
JPX日経インデックス400は反発。終値は前日比126.94ポイント高の1万4874.20だった。東証株価指数(TOPIX)は反発し、14.25ポイント高の1662.68で終えた。
業種別では非鉄金属や精密機器なども上昇。空運業や電気・ガス業などが下落した。
東証1部の売買代金は概算で2兆3278億円。売買高は13億2465万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1520と全体の約7割を占めた。値下がりは555、変わらずは80銘柄だった。