
前日の米株式市場では、NYダウが316ドル安だったが、ナスダック指数は上昇し最高値を更新した。この流れを受けた東京株式市場は、日経平均株価が前日比65円安でスタート。前日までの2日間で日経平均株価は2000円を超える上昇を演じたことから、利益確定売りが膨らみ、下値を切り下げる展開が続いた。決算内容を嫌気して急落する銘柄も目立ち、今後の業績発表を警戒視する「ガイダンスリスク」も意識された。足もとで値を上げた自動車や銀行株などに売りが膨らみ、日経平均株価は一時430円を超える下落となる場面があった。
24日に四半期決算を発表した信越化が急落し、日経平均の重荷となった。
日経平均は前日までの急ピッチな上げで、25日移動平均からの上方乖離(かいり)率は「買われすぎ」を示す5%を超えていた。短期的な過熱感が高まっていたところに、市場予想を下回る四半期決算を発表した主力株に売りが膨らんだ。
2026年3月期の連結純利益の見通しが市場予想に届かなかった信越化は一時10%安、25年4〜6月期に大幅減益となった三菱自は一時9%安とそれぞれ急落した。25年12月期通期で2度目となる業績予想の下方修正を発表したキヤノンも4%安となった。25年1〜6月期決算が6年ぶり赤字となったルネサスも一時6%安となった。来週以降に発表が本格化する4〜6月期決算で保守的な業績見通しを発表する企業が相次ぐとの警戒が高まり、投資家心理の悪化につながった。
今週に入り大きく上昇したトヨタやSUBARU、マツダなどの自動車株に利益確定目的の売りが膨らんだ。日米政府が合意した15%の自動車・部品関税を巡って、米車業界から不満が噴出していると伝わったのも売り材料となった。米メーカーの多くが完成車や部品を輸入するメキシコやカナダなどの国々に対する税率は25%のままとあって不満につながったようだ。市場では「米国との関税交渉合意や首相交代による財政拡大の思惑などから、日本株はいいとこ取りの展開が続いていたため、短期的な揺り戻しが起きても不思議はない」との指摘があった。
前日に1年ぶりに最高値を更新した東証株価指数(TOPIX)は4営業日ぶりに反落した。終値は25.69ポイント(0.86%)安の2951.86だった。JPXプライム150指数は3日ぶりに反落し、16.00ポイント(1.23%)安の1287.57で終えた。