
前日の米株式市場では、NYダウは下落したが、トランプ米大統領と中国の習近平国家主席との電話協議が行われ米中貿易摩擦の緩和期待が台頭し、東京株式市場は買い先行でスタート。日経平均株価は3万7700円台まで買われ、上昇幅は200円を超える場面があった。
ただ、今晩は米5月雇用統計の発表が予定されており、後場にかけ様子見姿勢が強まった。防衛関連株が買われたほか、建設や鉄鋼、陸運株などが堅調だった。
外国為替市場で円相場が前日夕に比べて円安・ドル高に振れ、投資家心理を支えた。
トランプ氏と習近平氏は中国によるレアアース(希土類)の輸出規制などを話し合い、関税政策を巡る2度目の米中閣僚級協議を早期に開くことを確認し、両首脳が互いに訪問し合うことでも一致。停滞していた交渉が前進するとの見方が株買いにつながった。中国株式市場では買い材料視する動きは乏しかったが、東京市場では景気減速懸念が和らぐとの受け止めで円売り・ドル買いが優勢になり、株式相場にプラスに働いた。大引け前に円は1ドル=144円台前半まで下げた。日経平均の上げ幅は一時200円を超えた。
ただ、日本時間今晩に5月の米雇用統計の発表を控え様子見ムードもあり、上値は伸びなかった。5月の非農業部門の雇用者数について市場は前月比12万5000人増と予想している。5日発表の週間の新規失業保険申請件数が市場予想を上回るなど、足元で労働市場の軟化を示す指標が増えている。米雇用統計に対する警戒感が株価の上値を抑えた。
日米関税交渉を巡っては、6月中旬の主要7カ国首脳会議(G7サミット)にあわせた両国の首脳会談での一定の合意を目指している。赤沢亮正経済財政・再生相は日本時間6日早朝から米ワシントンで5回目の関税交渉に臨んでおり、交渉の行方を見守りたいとの雰囲気も漂った。
さて、東京株式市場は週末ということもあって積極的な売買は見られず一定の高値圏でもみ合う展開となった。日経平均の下値は25日移動平均線(3万7510円)にサポートされる一方、上値は200日移動平均線(3万7874円)に遮られ今週はずっと動きが取れずにいる。いずれどちらかをブレイクしてくるだろうがそこはトランプ次第。トピックスの示す強さからは上方へ抜ける可能性が高そうだ。