
トランプ米政権の関税政策を巡る警戒感が和らぐなかで前週末の米株式市場ではナスダック総合株価指数が1%を超す上げとなった。日本国内では企業による自社株買いや増配の発表が相次ぎ、投資家心理を上向かせた。
朝方に日経平均は上昇幅が350円を超え、一時3万6075円26銭と取引時間中として3月31日以来の高値をつけた。
日銀が30日から5月1日の間に開く金融政策決定会合を巡っては、政策は現状維持の公算が大きいと国内メディアが相次いで報じたものの、銀行株は堅調に推移。非公開化の検討報道が出た豊田自動織機がストップ高に買われ、東証33業種中、輸送用機器が上昇率でトップとなったほか、建設業の上げが目立った。下落は繊維製品など6業種だった。
翌29日の東京株式市場は祝日のため休場となるほか、週内は米国で重要経済指標の発表も相次ぐ。日経平均は直近で急ピッチに戻していたことを背景に利益確定目的の売りも出て、午後に入ると上げ幅を67円まで縮小する場面があった。
市場全体に次第に膠着感も強まったものの、TOPIXのリバランスに伴う影響で、売買代金は4兆7000億円台と前営業日から増加した。
日経平均は午後に伸び悩んだ。30日に赤沢亮正経済財政・再生相が訪米し、ベッセント米財務長官らと関税を巡る2回目の協議が開かれるため、様子見姿勢も強かった。市場では「トランプ米大統領の発言などで相場が左右される状況が続き、企業業績や経済指標を分析して投資判断する中長期の機関投資家は買いを入れにくい」との指摘があった。