前日の米国株市場でNYダウ、ナスダック総合指数など主要株価指数が揃って上昇したことを受け、リスク選好の流れを引き継いでスタート。米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測の高まりなどを背景に、4日の米株式市場では特にハイテク株の上昇が目立った。東京株式市場でも半導体関連のアドバンテストなど値がさ株の一角に買いが入り、日経平均を押し上げた。韓国情勢の不安定化による思惑買いなどで、川重など防衛関連銘柄の上昇も目立った。
ただ、日経平均は寄り付き直後に3万9600円台まで水準を切り上げた後は上げ幅を縮小する展開となった。今月中旬に行われる日銀の金融政策決定会合を控え、追加利上げの有無に関する思惑が錯綜し、全体相場も買い手控えムードが台頭。日経平均は前日まで3営業日続伸し1000円以上水準を切り上げていたこともあり、主力株にポジション調整の売りが出た。TOPIXもプラスで引けたものの、上げ幅はわずかで、個別銘柄も値上がり銘柄数が全体の6割弱を占めるにとどまっている。売買代金は前日と同水準で4兆円台はキープされた。
市場では「短期的に上がりすぎていた印象はあり、米雇用統計などの重要イベントを前に一段の上値追いは難しかったようだ」との声が聞かれた。
日銀の中村豊明審議委員が広島県金融経済懇談会後の記者会見で「利上げに反対しているわけではない」などと語ったことが伝わると、円相場の上昇に歩調をあわせて日経平均は伸び悩む場面があった。
さて、東京株式市場は米国の主要3指数が最高値を更新したことでリスクオンのムードが強まっている状況。国内に材料がなく朝方の買い一巡後は上値が重たくなってしまいがちだが、米株高は今しばらく続きそうなので日本株もじわじわと追随していく12月相場となりそうだ。足元で若干だが出来高が2日連続減少しており、その分上げの勢いがおとなしくなってしまっている。