
前日の米株式市場では、物価関連指標の発表で米国の利下げ期待が後退したことが警戒されNYダウは330ドル安と下落した。米国株安の流れを受け、日経平均株価は39円安と値を下げてスタート。
特に、前日に26年3月期の業績予想の下方修正を発表した日経平均寄与度の大きい東エレクが一時ストップ安と急落。7月31日の取引終了後、2026年3月期の連結純利益が前期比18%減の4440億円になる見通しだと発表した。4%増を見込んでいた従来予想から下方修正し、一転最終減益となる。顧客の一部半導体メーカーが設備投資計画を後ろにずらしているのを背景に、下期にかけて製造装置の需要が想定よりも伸び悩むとみるためだった。
日経平均株価は午前9時20分過ぎには480円超の下落で4万500円台まで売られる場面があった。
日本時間今晩には7月の米雇用統計の発表を控えた週末とあって、持ち高調整目的の売りも出やすかった。ダウ・ジョーンズ通信(DJ)がまとめた7月の米雇用統計の市場予想は、非農業部門の雇用者数が前月比10万人増と、増加幅が6月(14万7000人)から鈍化する見込み。失業率は4.2%と前月(4.1%)を上回ると予想され、米労働市場の減速が意識される可能性がある。市場では「1年前の24年8月5日、7月の米雇用統計の発表をきっかけとして歴史的な株安となっただけに、慎重姿勢の投資家は多かった」との声があった。
1日の東京外国為替市場では円相場が一時1ドル=150円台後半と、4カ月ぶりの円安・ドル高水準をつけた。日銀の植田和男総裁が7月31日の金融政策決定会合後の記者会見で、追加利上げを急がない姿勢を示し、円売り・ドル買いの勢いが増した。株式市場では、トヨタやスズキなど自動車株の一角に円安による採算改善を期待した買いが入った。東証プライムの値下がり銘柄数は2割弱にとどまり、半導体関連株以外は総じて堅調に推移した。
米国では7月の雇用統計が発表され、非農業部門雇用者数は前月比11万人増と伸びは6月から鈍化すると見込まれている。市場予想より弱い結果となれば、9月利下げ期待が再び高まり、日米の株式市場に好影響を及ぼす可能性はありそうだ。