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【大引け概況】

28日の日経平均株価は大幅に反発し、終値は前週末比691円61銭高の3万8605円53銭だった。
 
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きょうの寄り付き時点では売りが優勢だった。前日に投開票された衆院総選挙では自民・公明両党を合わせた与党の議席数が2009年以来15年ぶりに全体の過半数に届かず、政局の先行き不透明感が嫌気されたが、与党の大苦戦は事前に相場に織り込まれていた面もあった。
寄り後に日経平均が下値抵抗力を発揮したのをみて、急速に空売り筋のアンワインドが入った。石破首相が今回の選挙で議席数を急増させた立憲民主党や国民民主党と連携を摸索する動きを示していることも買いを助長したようだ。半導体関連の主力どころが買われたことで、全体指数の押し上げに貢献した形となっている。
為替の円安進行や前週末の米半導体株高も追い風だった。日経平均の上げ幅は一時800円を超えた。
 
日経平均は前週に国内政治の不透明感を背景に1000円あまり下落していた。きょうは空売りをしていた海外短期筋が株価指数先物を買い戻す動きを強めていたとみられ、先物主導の株高との見方が多い。今回の衆院選で自公が過半数を割った一方、野党第1党の立憲民主党や国民民主党の躍進が目立った。とくに国民民主は減税や社会保険料の軽減などを軸に所得の増加を支援する財政拡張的な政策を掲げる。市場では「与党は国民民主などと政策や予算案によって協力する『パーシャル(部分)連合』に進むとの見方が出ており、経済政策による景気浮揚効果に期待した買いが入った」との声も聞かれた。
 
石破茂首相は14時から自民党本部で記者会見に臨み、「党派を超えて優れた方策を取り入れ意義のある経済対策、補正予算を実施することが必要だと考えている」と話した。一方で、今後の政権の枠組みに関して「今この時点で連立を想定しているわけではない」と述べた。野党との連立に言及するとの期待で記者会見前に日経平均が強含んだこともあり、その後は上げ幅を縮小した。
 
28日の東京外国為替市場で円相場は1ドル=153円台後半まで下落し、3カ月ぶりの円安・ドル高水準をつけた。衆院選を受けた日銀の追加利上げ観測の後退などが背景にある。今後も円安基調が続けば、主力の輸出関連企業の業績が改善するとの見方が株買いを誘った。前週末の米株式市場で半導体銘柄を構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が上昇し、東京市場で値がさの半導体関連株が買われたことも日経平均を押し上げた。
 
 

東証株価指数(TOPIX)は6営業日ぶりに反発した。終値は39.46ポイント(1.51%)高の2657.78だった。JPXプライム150指数は反発し、19.61ポイント(1.66%)高の1198.43で終えた。
 
東証プライムの売買代金は概算で3兆8858億円、売買高は17億8266万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1504。値下がりは123、横ばいは20だった。
 
業種別株価指数(33業種)は医薬品、輸送用機器、海運業などが上昇。鉱業、化学、石油・石炭製品などが下落した。
 
個別では、売買代金首位となったディスコが大幅高、レーザーテック、東京エレクトロン、アドバンテスト、スクリーンHDなど半導体製造装置関連株が値を飛ばしたほか、トヨタ自動車、ソフトバンクグループ、キーエンス、リクルートHD、任天堂なども強さを発揮した。三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンクもしっかり。川崎船や日本郵船など海運株も高い。このほか、想定以上の業績上方修正を好感された中外製薬や上半期増益率は一段と拡大する形となったプレミアグループが急騰した。ローツェなどが大幅高に買われた。
 
半面、三菱重工業が冴えず、IHIも軟調、川崎重工業の下げも目立つなど防衛関連が売られた。信越化学工業、フジクラも値を下げた。想定外の大幅下方修正にネガティブ反応強まった東京製鐵が急落したほか、カウフマンCEOの辞任報道が伝わったオリンパスが急落。能美防災などが下落率上位に。日本製鋼所も下値を探った。リガク・ホールディングスが安く、ラクスルも売られた。
このほか、ニトリホールディングス、テルモなども下落した。


 
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