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【大引け概況】



11日の日経平均株価は3日続伸し、前週末比295円11銭(1.11%)高の2万6812円30銭で終えた。

 
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10日投開票の参院選で自民党が改選議席の過半数を単独で確保したことで政権が安定するとの期待感が強まった。上げ幅は前場に一時500円を超えた。

参院選で自民党が圧勝したことで岸田文雄首相の政権運営が円滑になり金融・経済政策に専念できるとの期待が高まり、幅広い銘柄が買われた。
 
先週末8日のNYダウ平均は反落した。6月の米雇用統計で雇用者数の伸びが予想を上回り労働市場の堅調さが確認され、金融引き締め強化を警戒した売りに押された。
ただ、過度の景気後退懸念が緩和したことから押し目買いも入り、上昇に転じる場面もあった。一方、ナスダック総合指数は小幅高で5日続伸となった。米景気の先行き懸念がやや後退する中、今日の東京株式市場は買いが先行した。取引開始後の買い一巡後は、ダウ平均先物が軟調で、また、香港や上海の株価が大幅に下げたことなどから、日経平均は伸び悩む場面があったが、下値を売り急ぐ動きは見られなかった。
 
 
東京外国為替市場で円安・ドル高が進んだことも支えとなり、取引時間中としては6月28日以来約2週間ぶりに2万7000円を上回った。買い一巡後は利益確定売りに押され、午後は2万7000円を上回る場面はなかった。
 
円相場は一時1ドル=137円台前半まで下落し約24年ぶりの円安・ドル高水準となった。輸出企業の採算が改善するとの思惑から自動車関連株や機械株が物色された。
 
後場は停滞感を強めた。米株価指数先物が日本時間11日の取引で下落し、中国・上海株などアジアの主要株式相場も軟調に推移したことが意識された。
 
「安倍晋三元首相の事件は衝撃だったが、参院選の結果に投資家は安心した。岸田首相は投資家に寄り添う姿勢を見せており、投資方針を変更する必要はない」とみていた。
 
市場からは「政策期待は続くとみるが、米インフレ・金利動向にらみの展開に変わりはない。戻り売りに上値を抑えられている一方、売り込みにくい状況でもあり、新たな材料待ちか」との声が聞かれた。
 
東証株価指数(TOPIX)は3日続伸し、27.23ポイント(1.44%)高の1914.66で終えた。
 
 


東証プライムの売買代金は概算で2兆6522億円。売買高は11億5248万株だった。東証プライム市場の値上がり銘柄数は1624と、全体の9割近くを占めた。値下がりは189、変わらずは25だった。
 
 
業種別株価指数(33業種)は医薬品、精密機器、陸運業、その他金融業、保険業が上昇率上位。下落は繊維製品など2業種。
 
個別では、トヨタやデンソーが高い。ファストリ、京セラ、ソニーG、第一三共、リクルート、KDDIが買われた。国内要因では、参院選を通過し政策が実現に向け動き出すとの見方から原発関連の日製鋼など政策に絡む銘柄の一角が堅調だった。原油価格の上昇を映しINPEXなどの資源・エネルギー株が総じて高く、さらに、先週末の海外市場で米長期金利が上昇したことを受け東京海上などの金融・保険関連株の一角にも資金が向かった。
 
半面、東エレクやレーザーテックなど半導体関連株が下げ、第1四半期利益水準が想定比低調との見方から安川電機が安く、第1四半期17%営業減益となったワキタ、一部メディアで新たな品質不正と報じられた東レが売られた。

 
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