朝から利益確定や手じまいの売りに押される銘柄が多く、日経平均株価は終日軟調に推移した。特に米投資会社の取引に関連した巨額損失への不安感から銀行株の下落率が大きくなり、東証株価指数(TOPIX)の重しになった。
バイデン米大統領が31日の演説で巨額のインフラ投資計画を発表するのを控え、様子見ムードも強かった。
米投資会社のアルケゴス・キャピタル・マネジメントを巡る金融機関の損失問題も投資家心理を悪化させた。
市場では「国内株への影響は現時点では金融株など一部にとどまっているが、今後は金融市場全体に動揺が広がる可能性が警戒されている」との声があった。
東証1部の出来高や売買代金は少なく、「イースター(復活祭)休暇を前に海外投資家の動きが鈍っている」との指摘もあった。上値追いの投資主体が少なかったことも買い注文の薄さにつながったようだ。
一方、外国為替市場で円相場が1ドル=110円台後半の円安・ドル高となり、収益改善期待から自動車など輸出関連株に買いが入り、相場を下支えした。
JPX日経インデックス400は続落。終値は前日比242.46ポイント安の1万7622.89だった。東証株価指数(TOPIX)は続落し、23.86ポイント安の1954.00で終えた。
東証1部の売買代金は概算で2兆9084億円。売買高は13億2588万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1650と、全体の75%を占めた。値上がりは491、変わらずは45銘柄だった。