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【大引け概況】


9日の日経平均株価は続落し、終値は前日比375円97銭安の3万9605円09銭だった。

 
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前日の米国株市場で半導体関連株が総じて軟調だったことで、マーケットのセンチメントが弱気に傾いた。あすにオプションSQ算出を控えていることもあり、日経平均は先物主導の大口売りで一時3万9300円台まで水準を切り下げる場面があった。米政府が半導体の対中輸出規制を強化するとの観測報道も流れ、半導体セクターの主力銘柄などに売りが出たことも、全体相場を押し下げる要因となった。
 
日銀が1月の金融政策決定会合で利上げを行うとの思惑などから、積極的に買い向かう動きはみられなかったが、取引後半は買い戻しの動きが出て日経平均は下げ幅を縮小して着地している。今晩の米国株市場が休場ということで、持ち高調整の売りも出やすく、午後は海外短期筋による株価指数先物への断続的な売りに押され、下げ幅を500円超に拡大する場面があった。海外投資家の参戦が限られ売買代金はやや減少傾向だった。
 
バイデン米政権が米エヌビディアなどの企業による人工知能(AI)チップ輸出の規制を強化する計画だと伝わり、収益への悪影響を警戒した売りで米通常取引終了後の時間外取引でエヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイスが下落した。東京市場でも東エレクやアドテストなど一部の半導体関連株への売りを促した。
 
このところ、日経平均は取引時間中に節目の4万円を上回る日が多かったが、きょうはほぼ軟調な展開が続いた。手掛かり難に加え、大引け後にファストリやセブン&アイといった主要小売り企業の決算発表を控えることも様子見気分を強めた。
 
日銀は9日の支店長会議後に公表した報告で「構造的な人手不足のもと、最低賃金の引き上げもあって、継続的な賃上げが必要との認識が幅広い業種・規模の企業に浸透してきているとの報告が多かった」とした。外国為替市場などでは日銀が1月にも追加利上げに踏み切るとの思惑も聞かれた。ただ、市場関係者は「1月か3月か利上げ時期の判断は難しい。利上げをしても預貯金の金利が上昇するなど株価にマイナスの話ばかりではない」と話していた。

さて、東京株式市場は米半導体株安やトランプ砲によって下方向に振り回される少し荒れた1日に。日銀による今月の利上げ観測が浮上しており一方的な円安トレンドではなくなっている状況も買いにくくさせている。チャート面では日経平均は下値を25日移動平均線(3万9368円)にサポートされており本日もそこで下げ止まるなど安心感はある。今晩の米国市場が休みなので明日は動きが乏しいだろう。

 

 
東証株価指数(TOPIX)は続落した。終値は34.08ポイント(1.23%)安の2735.92だった。JPXプライム150指数も続落し、15.39ポイント(1.26%)安の1210.42で終えた。東証プライムの売買代金は概算で4兆3226億円、売買高は18億4824万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1277。値上がりは332、横ばいは35だった。
 
業種別株価指数(33業種)は海運業、卸売業、保険業などが下落。医薬品、その他製品、不動産業が上昇した。
 
個別では、売買代金トップとなったフジクラが大きく下値を探ったほか、レーザーテック、アドバンテスト、東京エレクトロンなど半導体株の一角が売られた。商船三井、日本郵船など海運株も値を下げ、IHI、川崎重工業も安い。キーエンスも値を下げた。また、三菱自動車、マツダ、日産自動車、日野自動車、スズキなど自動車株も売り優勢となった。
KLabが急落、フィックスターズも大幅安。サイゼリヤも大きく水準を切り下げた。
 
半面、売買代金上位のディスコがしっかり、ファーストリテイリングも堅調。サンリオが買われ、任天堂も上昇した。前日比プラス圏で取引を終了したほか、住友不動産、三菱地所、東京建物など不動産株の一角がしっかり。楽天グループも買いが優勢だった。野村マイクロ・サイエンスが頑強、アシックスが物色人気に。このほか、中外製薬、荏原製作所、TOPPANホールディングス、ふくおかFG、味の素などが買われた。
タムラ製作所が値上がり率トップに買われた。ブイキューブ、ネクステージなども値を飛ばした。


 
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