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【大引け概況】


26日の日経平均株価は3日続落し、前週末比82円73銭(0.25%)安の3万2698円81銭で終えた。
 
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引き続き利食い急ぎの動きが日経平均の上値を押さえる展開となった。これまで相場の牽引役を担っていた半導体関連の主力銘柄が大きく売り込まれた一方、半導体材料メーカーが軒並み値を飛ばすなど同じセクターでも強弱観が錯綜する地合いとなった。前週末の欧州株市場がほぼ全面安に売られたことで、目先スピード調整の売りがかさみ、朝方は400円近く下げる場面もあった。ただ、その後は米株価指数先物の上昇や為替市場での円安を横目に下値抵抗力を発揮し、一時は大きく切り返しプラス圏に転じる局面もあった。
 
米株安に加えて四半期末に伴う国内機関投資家のリバランス(資産の再配分)売りや、7月上旬の上場投資信託(ETF)の分配金捻出に伴う売りへの警戒感が前週に引き続き重荷となった。半導体関連株のほか、このところ上昇基調だった商社株も売りが目立った。
 
ロシア情勢を巡る不透明感も投資家心理の重荷だ。民間軍事会社ワグネルによる反乱はいったん収束したものの火種は残り、引き続き地政学リスクとして意識される。そのため投資家は積極的な買いを入れにくいとの見方があった。
 
一方、指数は上げる場面も多かった。これから3〜5月期決算の発表が本格化するが、値上げの進展やインバウンド(訪日外国人)需要の回復が続く日本企業への業績期待は根強く、押し目買いが相場を支えた。海運や化学といった景気敏感株の一角にも上昇が目立った。
 
新たな材料待ちの状況に陥っている。先週末と本日の下落で目先的な過熱感は解消しつつあるものの、海外投資家の買いの勢いも依然と比べるとトーンダウンしており、このまま外国人買いが続くのか見極めたいとの声が多い。
また、欧州中央銀行(ECB)フォーラムが28日までの日程で開催される。欧州版のジャクソンホール会合と位置づけられるだけに関係者の注目は高いと言える。各国の金融政策の動向次第では日本と米欧の金利差拡大から一段と円安が進む可能性があり、外為市場の動きには注意が必要だろう。

 

 
東証株価指数(TOPIX)は続落し、終値は前週末比4.56ポイント(0.20%)安の2260.17だった。
 
東証プライムの売買代金は概算で3兆2603億円。売買高は11億7024万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1134と、全体の約6割を占めた。値上がりは632銘柄、横ばいは68銘柄だった。
 
業種別株価指数(33業種)では電気・ガス業、卸売業、銀行業などが下落。海運業、化学、金属製品などは上昇した。
 
 
個別では、ソシオネクストが急落し、レーザーテック、アドバンテスト、東エレク、ディスコなど半導体製造装置関連が軟調。先週末に崩れた丸紅、三井物産、三菱商事などの商社株も下落。東電HD、楽天グループ、電通グループ、NTTデータも売られた。エムアップHD、SREHD、ANYCOLOR、ラクス、オプティム、Appierのグロース株の下落率の大きさが全体的に目立った。
東証スタンダードから東証プライムへと市場変更したライフドリンクCは売出株の受渡期日に伴う需給悪化が嫌気されて大きく下落した。東証スタンダードでは今期計画が失望された日本オラクルが大幅安となった。
 
一方、産業革新投資機構の買収が伝わったJSRがストップ高比例配分となり、本一件を受けた買収への思惑から東京応化、大阪有機が急伸し、トリケミカル、ADEKA、フジミインコーポ、住友ベークライトなど半導体部材関連の銘柄が軒並み高、信越化学、SUMCO、レゾナックHD、新光電工、ニコン、トヨタなど時価総額の大きい関連株でも大幅高が目立った。また、郵船、商船三井、川崎汽船の海運が大きく上昇したほか、神戸製鋼所、INPEX、コマツ、安川電機、住友化学、三菱ケミカルなど景気敏感株が堅調だった。決算が好感されたツルハHDは大幅高となり、味の素、イオン、JTなどディフェンシブの一角も上昇。値上げを発表したOLCも買われた。
 
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