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【大引け概況】

16日の日経平均株価は5営業日ぶりに反落し、終値は前日比730円25銭安の3万9180円30銭だった。
 
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前日の米株安を受け終始リスクオフの地合いとなった。前日の米国株市場ではNYダウなど主要株価指数が総じて軟調だった。また、オランダの半導体製造装置大手ASMLホールディング(ASML)の決算発表を受け同社株が急落、半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が5%を超える急落をみせたこともあって、東京株式市場でも半導体関連株を中心に売りがかさむ展開となった。
米政府が中東の国ごとにAI用半導体の輸出規制を検討しているとの報道も同セクターに逆風材料となった。日経平均寄与度の高い半導体製造装置関連に値を崩す銘柄が相次ぎ、日経平均は一時850円近い下げで3万9000円大台攻防の様相をみせる場面もあったが、結局最後まで割り込まなかった。
 
値がさ半導体関連の下げが相場を押し下げた。生成AI(人工知能)向けの半導体需要に期待が高まっていたが、ASMLの決算ではEUV(極端紫外線)露光装置の需要回復が鈍く、半導体市場に対する楽観的な見方が後退した。17日には台湾積体電路製造(TSMC)やディスコの決算発表を控えて手じまい売りも出やすく、半導体関連の下げにつれて日経平均も下げ足を速めた。
 
日経平均は10月に入って海外勢の買いが主導してほぼ一本調子で上昇し、前日には4万円台に一時乗せていた。ASMLの決算を受けた半導体関連の急落が、海外勢による日本株の利益確定や戻り待ちの売りの口実になった面もあった。一方、保険や建設、不動産など割安株とも位置づけられる内需株の一角には買いが向かった。
 
さて、東京株式市場は突然の米半導体株安に見舞われ反落する展開に。昨日は日経平均が一時4万円台に乗せていただけに急な変わりようともいえる。内容的には国内でも半導体関連や先物売りに絡む銘柄の下げは目立ったものの、それ以外では大きく売られる様子もなくトピックスなどは限定的な下落率に収まっている。今晩の米国株が持ち直せば明日はそれなりの反発に転じるだろう。
 
 


東証株価指数(TOPIX)は反落した。終値は前日比32.91ポイント(1.21%)安の2690.66だった。JPXプライム150指数も反落し、18.95ポイント(1.54%)安の1208.42で終えた。
 
東証プライムの売買代金は概算で3兆9155億円、売買高は16億1511万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1246と全体の約76%を占めた。値上がりは354、横ばいは44だった。
 
業種別株価指数(33業種)は精密機器、電気機器、化学などが下落。上昇は不動産業、建設業、保険業など。
 
個別銘柄では、売買代金で断トツとなったレーザーテックが値下がり率トップに売り込まれた。東京エレクトロン、SCREENホールディングが前日比10%ほどの大幅安となったほか、ディスコ、ソシオネクスト、ルネサスエレクトロニクスなど半導体株の下げが目立った。
ソフトバンクグループが売られ、川崎重工業も値を下げた。
また、朝方に発表された8月機械受注が前年比、前月比ともにマイナスとなるなど大幅に悪化したことから、安川電機、SMC、日本精工、オムロン、ファナック、ニデックなど機械株も売られた。このほか、決算が嫌気されて高島屋が売られたことで、三越伊勢丹HD、Jフロントリテイリングなど百貨店株も安い。ディップ、ヨシムラ・フード・ホールディングスなども大きく水準を切り下げた。
 
一方、大成建設、大林組はともに国内証券会社が格付けを引き上げたことなどが材料視されて買い優勢となり、清水建設、鹿島建設など大手建設株も総じてしっかり。また、東京建物、住友不動産、東急不動産HD、三井不動産など不動産株も買われた。このほか、三菱重工は目標株価引き上げを受けて上昇、IHIも買いが優勢だった。
MS&ADインシュアランスグループホールディングスも堅調。古野電気がストップ高に買われたほか、パルグループホールディングス、IDOM、TOKYO BASEなどが値を飛ばした。



 
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