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【大引け概況】


11日の日経平均株価は小幅ながら6営業日ぶりに反発し、大引けは前日比13円84銭(0.04%)高の3万2203円57銭だった。
 
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日経平均は前日までに5日続落で1500円あまり下落していたとあって、前日の米株式相場の上昇を手掛かりとした押し目買いが優勢だった。ただ、市場参加者の先高観が後退しつつあるなかで戻り待ちの売りを急ぐ動きも目立ち、日経平均は下げに転じる場面もあった。
 
朝方は主力株をはじめ広範囲に自律反発狙いの買いが先行して始まった。前日の欧州株市場が総じて高かったほか、米国株市場でも景気敏感株が買い戻されNYダウが200ドルあまりの上昇で切り返したことから、東京株式市場でも投資家心理が改善した。幅広い銘柄に自律反発狙いの買いが入りやすかった。
しかし、上値では戻り売り圧力が強く、上げ足は次第に鈍る展開に。外国為替市場で急速にドル安・円高が進行し、輸出セクターを中心に逆風材料となった。
 
日経平均株価は後場に入ると値を消し、前日終値を下回って推移する場面もあった。
東京外国為替市場で円相場が一時1ドル=140円台半ばと約1カ月ぶりの円高・ドル安水準を付け、自動車など輸出関連銘柄への売りを促した。「これまでの急速な相場上昇のけん引役の1つだった円安基調という前提が崩れるとの懸念が広がっている」との見方を示した。
 
上場投資信託(ETF)の分配金拠出に伴う売りが前日までで一巡したこともあり、市場心理をやや上向かせる要因になった。また、前日の米国市場でSOX指数が2%超上昇したため、アドバンテスや東エレクなど、半導体関連株にも買い戻しの動きが強まり、日経平均の上げ幅は一時250円を超えた。
円相場が円高傾向に振れているほか、新規の手掛かり材料にも乏しいだけに、次第に模様眺めムードが広がり、前日の終値水準を挟んで一進一退の展開だった。
 
12日には6月の米CPIの発表が控えている。食料品とエネルギーを除いたコアCPIは前年比5.0%上昇と5月5.3%上昇から小幅な伸び鈍化が予想されている。また、米ナスダックはナスダック100指数の特別リバランスを実施すると発表している。特定の銘柄に資金が集中し、銘柄間のウエート調整が必要になったためで、14日に詳細が発表され、リバランスは24日の取引開始前に実施されるという。それを受けて米国株が大きく調整するのか見極めたいとの思惑もあるだろう。

 
 
東証株価指数(TOPIX)は6日続落し、6.93ポイント(0.31%)安の2236.40で終えた。TOPIXの6日続落は今年初で、2022年8月31日〜9月7日以来の長期続落となった。JPXプライム150指数は4日続落し、1.28ポイント(0.13%)安の1019.93で終えた。
 
東証プライムの売買代金は概算で3兆1719億円。売買高は13億3223万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は718と、全体の約4割にとどまった。値下がりは1026銘柄、変わらずは91銘柄だった。
 
指数インパクトの大きいところでは、アドバンテス、東エレク、テルモ、コナミGが堅調だった半面、エーザイ、第一三共、KDDI、トヨタが軟調だった。
 
個別では、売買代金首位のレーザーテック、同2位のアドバンテストがいずれも上昇。東京エレクトロン、SUMCOも商いを伴い高い。テルモ、コナミG、京セラ、資生堂が上げた。良品計画が買われ、メルカリも物色人気。ANYCOLORが大幅高に買われた。アステリアが値上がり率トップとなり、コスモス薬品、ぐるなびも値を飛ばした。KeePer技研、ダイコク電機なども水準を大きく切り上げた。
 
半面、ソシオネクストが下値模索、エーザイ、第一三共などの医薬品株も売られた。KDDIとトヨタ自動車が軟調、任天堂も売り優勢。日本製鉄も冴えない。ウエルシアホールディングスが急落、ワッツ、ブックオフグループホールディングスなども大幅安となった。


 
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