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【大引け概況】


29日の日経平均株価は9営業日ぶりに大幅に反発し、終値は前週末比801円22銭高の3万8468円63銭だった。

 
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きょうの東京株式市場は主力株を中心に買い戻しが進む展開となった。前週末の欧米株が全面高となり、米国株市場ではNYダウが一時800ドルを超える急伸をみせるなどリスク選好の地合いを取り戻しており、これに追随する形で東京株式市場も自律反発局面に移行した。
米国では注目された6月の米個人消費支出(PCE)デフレーターが事前予想の前月比0.1%の上昇と一致し、インフレ圧力の低下を背景に米連邦準備理事会(FRB)による9月利下げの可能性が意識された。半導体銘柄で構成されるSOX指数も2%高と4日ぶりに反発、これを受けて東京株式市場でもこれまで大きく売り込まれた半導体主力株を買い戻す動きにつながった。海外投資家の先物買いに伴うインデックス買いが全体相場に浮揚力を与えた。
 
日経平均は前週末まで8日続落し、この間に3600円あまり下げていたとあって、自律反発狙いの買いが優勢だった。先物主導で騰勢を強め、日経平均の上げ幅は一時1000円を超えた。
26日の米株式市場では半導体関連などハイテク株を中心に幅広い銘柄が買われた。きょうの東京株式市場でもこのところ下げが目立っていた東エレクなど値がさの半導体関連の一角に買いが入り、日経平均を押し上げた。

 今週の最大の注目材料は、日米の金融政策決定会合の結果だ。特に日銀の政策変更については、政府内で追加利上げを後押しするような発言が相次いでいることを受け、利上げを実施するのか、それとも直近で急激に円高が進んだため、利上げはないのではないか、と見方が分かれている。日銀会合の結果待ちのなか、目先的には本格化している主要企業の決算内容を見定めながらの、個別対応になりそうだ。

 
東証プライム市場の値上がり銘柄数は1571と全体の95%に達し、全面高の展開だった。市場関係者は「海外短期筋などによる株価指数先物の買いが主導する形で日経平均を押し上げたことが全面高の背景にある。日経平均が急伸したわりには売買代金が低調で、様子見姿勢の中長期志向の投資家も多かったようだ」と話した。30〜31日に日銀の金融政策決定会合や米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え、朝方に上げ幅を1000円超に広げた後は高値圏でもみ合う場面も目立った。
 
東証株価指数(TOPIX)は4営業日ぶりに反発した。終値は60.13ポイント(2.23%)高の2759.67だった。JPXプライム150指数は8営業日ぶりに反発し、26.30ポイント(2.21%)高の1215.64で終えた。
 
東証プライムの売買代金は概算で3兆9681億円、売買高は16億1182万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は63、横ばいは11だった。
 
業種別株価指数は33業種すべて上昇し、保険業、化学、不動産業、非鉄金属、証券・商品先物取引業、ガラス・土石製品が上昇率上位。
 
個別では、断トツの売買代金をこなしたディスコが大きく水準を切り上げ、東京エレクトロン、レーザーテックなども終始買い優勢だった。ポジティブなレポートを受けて、フジクラ、古河電、SOMPOホールディングスが買われた。ソフトバンクグループも高い。第1四半期決算がコンセンサスを上振れたことから信越化学工業が大幅高となったほか、SUMCO、ルネサスエレクトロニクス、アドバンテスト、村田製作所など半導体関連への買い戻しが目立つ。東京製鐵がストップ高に買われ値上がり率トップとなったほか、MARUWAが急騰、Gunosyが値を飛ばし、マネックスグループも活況高となった。楽天グループ、三菱自動車、IHI、TDKが上昇した。
 
半面、SCREENホールディングスは決算を材料に朝方は買われたが、半導体株高の流れに乗れず逆行安。キーエンスが下値を探り、欧州で認知症薬「レカネマブ」に対する否定的見解が出たことからエーザイが値下がり率トップに売り込まれた。第1四半期2桁減益が嫌気されて日立建機が大幅安、プレミアグループの下げも目立つ。このほか、エムスリーも大商いだが売りに押された。
このほか、キーエンス、パナソニックHD、ニデックが下落した。



 
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