
きょうは、様子見ムードの強い地合いだったが後場の取引で買われる銘柄が目立った。
日経平均は午後2時を過ぎたあたりから上値指向を強め、クロージングオークションに入る直前の取引終了6分前にこの日の高値をつけた。
外国為替市場でドル高・円安方向に振れたことを背景に、先物主導のインデックス買いが観測され全体指数の上昇に貢献した。また、前日の米国株市場がメモリアルデーの祝日に伴う休場で、手掛かり材料難が意識されたものの、個別株の物色意欲は根強く、相場を押し上げる形に。
27日午後の外国為替市場で、円相場は一時1ドル=143円前半まで円安・ドル高が進んだ。日本経済新聞電子版は27日、「財務省が6月20日に債券市場参加者を集めた国債市場特別参加者(プライマリー・ディーラー、PD)会合を開くことが分かった」と報じた。
足元の債券市場で超長期国債の金利が上昇していることなどを議論するという。報道を受け、市場では超長期債の発行計画を修正するとの観測も浮上し、国内債券市場では超長期ゾーン中心に金利低下が進んだ。
外国為替市場では日米の金利差拡大を意識した円売り・ドル買いの勢いが強まり、株式市場では円安を背景に海外短期筋が先物に買いを入れる動きが活発化した。現物株では午前軟調だったトヨタなど自動車関連が輸出採算の改善期待から買われた。
午前の日経平均は前日終値(3万7531円)を挟み一進一退となる時間帯が長く続いた。
前日まで続伸した流れを受け、東エレクなど値がさの半導体関連への売りが目立った。アイザワ証券投資顧問部の三井郁男ファンドマネージャーは「心理的節目の3万7500円前後で利益確定売りが出やすかった半面、4月中旬以降の戻り相場で買い遅れた投資家の買いも入った。午後に円安が進んだのを理由に買いの勢いがやや勝った印象だ」ときょうの相場展開を振り返った。
日経平均は続伸で200日移動平均線(3万7802円)水準を捉えてきた。祝日明けの米国市場の動向を受けて同線を突破してくるようだと、センチメントを明るくさせそうだ。
米国では28日に予定されるエヌビディアの決算や30日には4回目の日米通商交渉が開催される予定で、好材料が出てくるのか注目される。
エヌビディア決算では業績動向以上に、中国向け輸出規制強化の影響が警戒されているが、中国向けでは新たなAI半導体投入との見方もあるため、低迷している半導体株などへは売り方の買い戻しが入りやすくなりそうだ。日米交渉では、英国が合意したように一定台数まで自動車関税が引き下げられ、相互関税の上乗せ分も撤廃という形で交渉がまとまるのか確認したいところだが、基本的には6月半ばのG7直前までくすぶりそうだ。