
前週末の米株式市場では、米関税政策を巡る通商交渉が前進するとの期待が強まりNYダウが208ドル高と上昇しナスダック指数は最高値を更新した。この米株高を受け、日経平均株価も値を上げてスタートした。
この日の早朝に米国と欧州連合(EU)が、関税交渉で枠組み合意に達したと伝わったことも好感された。ただ、高値警戒感を背景に、買いは続かず朝高後は売りに押される展開になった。上昇基調を強めてきた半導体関連株などに利益確定売りが膨らみ、全体相場を押し下げた。銀行株も軟調だった。午後3時30分からは自民党の両院懇談会の開催が予定されていることも様子見の要因となった。日経平均株価は午後2時過ぎに、この日の安値をつけ、その後、やや下げ渋ったが、大引けにかけ売り直され結局4万1000円台を割り込んだ。
前週末の米株高や米欧の貿易合意を受けた買いが先行したが、前週の日本株が大幅に上昇していたとあって、積極的な買いは早々に一巡した。半導体関連や銀行など主力株への利益確定売りが目立ち、相場全体の押し下げ要因となった。外資系証券による投資判断の引き下げをきっかけに、アドバンテストは下落率が一時10%を超えるなど大幅安となった。
市場関係者は「日米の関税交渉を巡る不透明感は前週で解消したが、ここからさらに日本株が上値を試すには、政局混迷への懸念が払拭される必要がある」との見方を示した。また、別な市場関係者は「これまで出てきた国内主要企業の決算内容にあまり良い印象はない」と指摘。今期業績見通しが市場予想を下回った銘柄は売られる傾向にあることから「投資家も徐々に警戒感を募らせているのだろう」とみていた。