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【大引け概況】


30日の日経平均株価は3日続落し、終値は前日比502円74銭(1.30%)安の3万8054円13銭だった。
 
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 日本や米国の長期金利上昇を警戒し、ハイテク株を中心にリスク資産を圧縮する動きが優勢だった。前日の米株式相場が軟調となり、30日のアジア株が総じて下落したことも重荷となった。下げ幅は一時900円を超えた。
 
主力株中心に売り圧力の強い地合いだった。前日の欧州株市場が全面安だったことに加え、米国株市場でもNYダウが400ドルあまりの下げとなるなどリスクオフの展開で、この流れを引き継ぎ半導体関連など中心に値を下げ日経平均を押し下げた。欧米や日本国内で長期金利が上昇基調を強めており、これを嫌気する売りがかさんだ。米国では米連邦準備理事会(FRB)高官のタカ派的発言や米7年国債の入札が不調だったことなどが影響し、長期金利が4.6%台まで上昇、株式の相対的な割高感が意識された。
また、日本でも日銀の金融政策正常化に向けた動きが早まることへの警戒感が強く、長期金利が一時1.1%台に乗せるなど、投資家心理を冷やした。売り一巡後は下げ幅を縮小したが、明日の都区部CPIや米PCEデフレータの発表を控え、押し目に買い向かう動きは限定的だった
欧州でも長期金利は上昇傾向で、高PER(株価収益率)のハイテク株などは相対的な割高感が意識され売りが膨らんだ。
 
前日の米株式市場で主要3指数がそろって下落し、30日の香港ハンセン指数などアジアの株式相場が総じて軟調だったことも投資家心理の重荷になった。日経平均は取引時間中として5月13日以来およそ2週間ぶりに3万8000円を割り込む場面があった。3万8000円を割り込んだところでは割安感から押し目買いが入ったが戻りは限定的だった。
 
市場関係者は「いまは金利の動きについて神経質になっている。特に日銀の金融政策についての先行きが読めず、足元は上値を追いたいと考える投資家が少ない」とみていた。
 
目先的には米金融当局が重視するインフレ指標である4月の個人消費支出(PCE)物価統計が31日に発表される。米国の強いインフレ状態が確認されるのか、それともインフレ鈍化が示されるのかが注目されよう。また、国内では、日銀が金融政策の正常化を進め、国債の買い入れを減らすとの見方が大勢を占めており、日銀の金融政策の行方にも注目が集まっている。
 

 

東証株価指数(TOPIX)は続落し、終値は15.42ポイント(0.56%)安の2726.20だった。JPXプライム150指数は3日続落し、8.30ポイント(0.69%)安の1192.10で終えた。
 
東証プライムの売買代金は概算で4兆3985億円、売買高は17億870万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は615。値上がりは982、横ばいは49だった。
 
 
個別では、半導体関連のアドバンテストがきつい下げとなったほか、売買代金首位となったディスコ、同2位のレーザーテック、同3位のソシオネクスト、同4位の東京エレクトロンと半導体関連が上位を独占したが、いずれも安い。ルネサスエレクトロニクスも下落。東京電力ホールディングス、北海道電力が売られ、三菱商事、三菱電機、日産化学、ファナック、ソフトバンクグループ(SBG)、ファーストリテイリングが売られた。タマホームが急落、グローバル・リンク・マネジメント、ミガロホールディングスも大幅安だった。
 
一方、国内証券会社のポジティブなレポートを材料にGSユアサが買われたほか、金利上昇を受けて、千葉銀行、りそなホールディングスなど地銀株が引き続き上昇。シャープ、高島屋、大塚ホールディングスが買われた。ソニーGやZOZO、千葉銀も買われた。
アシックスが続伸、KOKUSAI ELECTRICも高い。北越コーポレーションが値を飛ばし、アトラエ、大阪チタニウムテクノロジーズも大きく上値を伸ばした。


 
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