前日の米株式市場では、NYダウが6日続落したほかナスダック指数も下落した。これを受け、日経平均株価は売り先行でスタート。前日まで4日続伸していたこともあり、利益確定売りが膨らみ、半導体関連などハイテク株や防衛関連の重工大手などの主力株が下落した。日経平均株価は前場には一時600円を超す下落となり3万9300円を割り込む場面があった。後場に入ってからは下値に買いが流入し下げ幅は縮小したが、週末で買いを手控える動きも強かった。
寄り前に日銀が発表した12月の企業短期経済観測調査(短観)は、大企業製造業の業況判断指数(DI)はプラス14となり9月から1ポイント改善したが、相場への影響は限定的だった。株価指数先物・オプション12月物の特別清算指数(SQ)算出に向け、先物買いを膨らませてきた海外短期筋の手じまい売りも重荷になったとみられる。SQ値は3万9434円85銭だったとみられている。
日経平均は前日、取引時間中としておよそ2カ月ぶりに心理的節目の4万円を上回る場面があるなど、急速な株高を受けて高値警戒感が広がっていた。
市場では「上昇ピッチの速さからいったん調整したが、来週の日米の中銀イベントを通過すればレンジから上振れする動きになるのではないか」との見方もあった。
外国為替市場での円安・ドル高進行は一定の支えとなった。円相場は一時153円台前半と、11月27日以来およそ2週ぶりの円安・ドル高水準をつけた。株価指数先物への散発的な押し目買いが相場全体を下支えした。
日経平均は5日ぶりに反落したが、当然の一服との受け止めが大半だろう。
日経平均は月初から4%超上昇しているため、短期的な相場の過熱感を意識する向きも多い。また、来週17日からはFOMC、18日から日銀の金融政策決定会合がそれぞれ開催されるだけに、日米の中銀イベントを見極めてから動いても遅くはないと考える投資家も少なくない。このため、来週も全般は様子見ムードの強い展開が予想されるなか、イベント通過後を意識した押し目狙いのスタンスに向かわせよう。