
きょうは終日リスクオフの流れとなった。朝方から先物主導で下値を探ったが、後場はやや持ち直す動きとなった。前日の米国株市場ではNYダウはほぼ横ばいで引けたが、ナスダック総合株価指数が4日ぶりに反落し、外国為替市場で1ドル=143円台まで円高が進んだことで東京株式市場でも目先利益確定の動きを誘発した。
米中貿易協議については大きな進展がみられなかったほか、トランプ米大統領が各国との関税引き下げ交渉の延長に否定的な姿勢を示していることが伝わり、投資家のセンチメントを冷やした。
海外短期筋による株価指数先物への売りに押され、日経平均の下げ幅は300円を超える場面があった。
トランプ米大統領は一方的に関税率を設定し、今後1週間半から2週間以内に各国・地域に書簡を送ると述べたほか、関税引き下げ交渉の延長に否定的な考えを示したとも伝わった。また、中国は米国の自動車メーカーや製造業者向けのレアアース(希土類)輸出許可に6カ月の制限を設ける方針と報じられた。市場では「米国と中国の関係改善が期待したほど進んでいないとの見方が広がり、日本株の重荷となった」との指摘があった。
明日13日には株価指数先物・オプション6月物の特別清算指数(SQ)算出を控えている。このところの相場急伸を受けて先物の売り方による買い戻しなどはすでに一巡していたとみられ、SQ算出をにらんだ仕掛け的な売買は限定的だったようだ。
一方、事業法人による高水準の自社株買いが続くとの見方や根強い先高期待を背景とした短期目線の投資家の押し目買いは相場全体を下支えした。日経平均は朝方、急速に下げ渋る場面もあった。
円高、米株安ということでひとまず反落する1日となったが、市場の先高観は根強く日経平均は3万8000円の大台をキープしている。トランプ大統領が一方的に設定した関税を今後1〜2週間で各国に通達すると伝わったが、それを材料に売る動きはあまり見られなかった。一方、日経平均もトピックスも日足陰線が増えており、高値圏ということで気迷いも感じられる。