目立った売買材料に欠けるなか、東京市場は小動きで取引を開始。前日終値水準でスタートした日経平均は、連日のトヨタ自動車の上昇が追い風となったほか、先物の買い戻し観測などを背景に上げ幅をじりじりと広げる展開となった。プライム市場の売買代金は3.8兆円台とクリスマス期間らしからぬ商い活況となり、日経平均は12月17日以来の3万9600円手前まで上昇するなど高値圏で取引を終えた。
12月期決算企業の期末配当や優待の権利付き最終売買日を迎え、権利取りを狙った個人投資家などの買いが優勢だった。小動きで始まった後、短期筋による株価指数先物への買いが断続的に入り、日経平均は一方的に上げ幅を拡大した。自己資本利益率(ROE)目標を引き上げるとの期待が高まっているトヨタが連日で急伸したことも、投資家心理を上向かせた。
前日25日はクリスマスの祝日で主要な欧米市場が休場だったため、海外投資家の参加は少なかったとみられる。目新しい材料も乏しかったが、一部の投機筋による上値追いを狙った先物買いが、薄商いのなかで相場全体を大きく押し上げる結果になったとの見方も聞かれた。
市場関係者は「今回の年末年始は東京株式市場の休場が長く、短期筋が売りの持ち高を解消するための買い戻しを入れていたほか、海外勢による損益通算を目的とした売りが前週までに一巡し、あく抜け感が出たことも上昇に弾みをつけたようだ」とみていた。