前週末のNYダウやナスダック総合指数などが高安まちまちではっきりしない展開だったこともあって、様子見ムードが予想されたが、寄り後は急速に買い優勢となった。英国や米国で新型コロナウイルスのワクチン接種が開始され、ワクチン普及によって経済活動が正常化することへの期待がマーケット心理を強気に傾けた。
ただ、日経平均2万7000円台が近づくと利益確定の売り圧力が強まるこれまでのパターンとなり、後場に入ると上値の重さが意識され取引終盤には2万6700円近辺まで水準を切り下げた。
今後の経済回復期待から、機械、海運、輸送用機器などの景気敏感株を中心に買われた。
日銀が14日朝に発表した12月の全国企業短期経済観測調査(短観)で、大企業・製造業の業況判断指数(DI)がマイナス10と市場予想(マイナス14)を上回った。市場が想定するほど景気は悪くないとの見方に加え、日本時間14日の米株価指数先物が堅調に推移したことも投資家心理を上向かせ、日経平均の上げ幅は一時200円を超えた。
ただ、新型コロナに対する警戒感は上値を抑えた。政府の観光需要喚起策「Go To トラベル」について、東京都と名古屋市を目的地とする旅行を一時除外する方針を固めたと伝わった。午後は上げ幅を縮める場面があった。
「感染拡大に対する警戒感はあるが、それ以上に企業業績の回復期待が強いことが大きく下げない理由だ」と指摘した。
JPX日経インデックス400は続伸し、終値は前週末比65.37ポイント高の1万6195.06だった。東証株価指数(TOPIX)は続伸し、8.51ポイント高の1790.52で終えた。
東証1部の売買代金は概算で2兆3331億円。売買高は11億5345万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1333と、全体の約6割を占めた。値下がりは755、変わらずは92だった。
業種別株価指数(全33業種)では海運業、その他製品、機械の上昇が目立った。下落は証券・商品先物取引業、空運業、精密機器など。