
上昇幅・率とも米相互関税の一時停止で急反発した4月10日(2894円97銭、9.13%高)以来の大きさだった。
前週4日に行われた自民党総裁選で高市早苗氏が新総裁に選出され、これを好感する形で幅広い銘柄に物色の矛先が向く形に。高市氏は財政拡張的な経済政策を目指すとの見方が強く、緩和的な金融政策を支持する姿勢にあることから円安も加速し、一時1ドル=150円台をつけるなど輸出セクターを中心に追い風となった。半導体関連などのハイテクや機械株などが買いを集めたほか、内需の不動産株にも強い動きが目立つ。
株高と円安が進む「高市トレード」の様相を強めた。円相場は1ドル=150円台と前週末の147円台から大きく円安方向に振れ、トヨタやホンダ、マツダなどの自動車株が軒並み上昇した。市場では「高市氏の勝利はサプライズで、積極的な財政出動と金融緩和を志向する『アベノミクス』路線を継承するとの見方が広がった」との指摘があった。
大引け時点の値上がり銘柄数は1400を上回りプライム市場の90%強を占めた。また、商いも大きく膨らみ、売買代金は7兆9000億円弱に達し、9月19日以来の高水準となった。
高市氏の政策関連をテーマに物色が目立った。防衛関連の代表格である三菱重が株式分割考慮ベースの上場来高値を更新し、川重やIHIも上げた。原発関連である東電HDや関西電も上げた。
高市氏は自民党初の女性総裁で、日本政治にとって歴史的な転換点と受け止める向きも多い。日本初となる女性首相が誕生すれば、海外投資家から注目を集め、変わる日本の象徴となる可能性があり、海外投資家による日本株再評価の動きが一段と強まることも予想され、株高基調は当面続くとの指摘も聞かれる。一方、今後発足する新政権が早期に大胆な規模の経済対策を打ち出せるのか、人工知能(AI)需要の盛り上がりから関連企業の業績が想定通りに向上するのか確認する必要もあるだろう。