米株式市場ではブロードコム<AVGO>が大幅高となり、ハイテク関連の一角が上昇。週明けの東京市場で半導体関連株の支援材料となった。一方で、今週は米国時間17~18日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されるほか、日本時間18~19日には日銀の金融政策決定会合が控えている。FOMCでは0.25%幅の利下げが決まるというのが市場のコンセンサスとなっており、日銀の金融政策決定会合では追加利上げが見送られるとの見方が広がりつつあるが、重要イベント前とあって模様眺めのムードは強かった。
16日の寄り付き前に内閣府が発表した10月の機械受注統計で、民間設備投資の先行指標である「船舶・電力を除く民需」の受注額(季節調整済み)が市場予想を上回り、堅調に設備投資が伸びているとの安心感から機械関連株の一角も上昇した。日経平均は前週末比一時161円高となったものの、主力株を中心にポジション調整売りが出て下げに転じた。
買い一巡後には日経平均は下落に転じた。外国為替市場でドル円相場は午前中に一時1ドル=154円に迫る水準までドル高・円安に振れた。その後は伸び悩んだとはいえ、153円台後半と円安基調を継続。日本株の下値をサポートする要因となった。
ファストリやニトリホールディングスなどの消費関連や前週に上場来高値をつけていたソニーGなど、売られる銘柄が多かった。「日本郵便への配達委託の停止を打診した」との報道が嫌気されたヤマトホールディングスも軟調に推移し、日経平均の業種別下落率では陸運がトップだった。日経平均の下げ幅は100円に迫る場面もあった。
午後にかけては日米中銀のイベントを前にした様子見姿勢も強まった。市場では「足元で円安がやや速いペースで進み、為替対応も含めて日銀の金融政策運営の不透明感が意識されている」という声があった。