前日の米国株市場でNYダウやナスダック総合株価指数など主要株価指数が上昇したことや、外国為替市場でドル高・円安が進行したことを受け、朝方はリスク選好の地合いでスタートした。しかし、海外機関投資家がクリスマス休暇で参戦がまばらとなるなか、上値も重かった。前日の米株市場で半導体関連の主力株が軒並み上昇したにもかかわらず、売買代金上位の半導体製造装置関連株が冴えない値動きだったことや、電線株などが軟調で全体指数を押し下げる展開に。一方、自動車セクターは23日に経営統合へ向けた協議入りを正式に発表したホンダと日産自はともに大きく上昇した。両社の統合に合流する可能性を示唆した三菱自も上昇し、年初来高値を更新した。
外資系証券経由でまとまった規模の空売り残高が確認されており、統合協議入りを受け買い戻しが活発化した可能性が指摘されていた。2社の経営統合合流に向けた検討をすると発表した三菱自も大幅高となった。いちよしアセットマネジメントの秋野充成社長は「ホンダと日産自の経営統合のような合従連衡は化学など他セクターでも起きる可能性があり、上場銘柄の淘汰が今後進めば日本株のカタリストになりそう」と話した。
このほか海運株なども買われている。日経平均は午後の取引で終始軟調だったが、下値は固く大引けでも3万9000円台を維持した。なお、売買代金は3兆円強と低調で今年最低水準となった。
海外投資家の買いが見込みづらいなか、個人からとみられる売りが相場の上値を抑えた。株取引での税は、暦年ベースで売却益などから売却損を引いた実質の利益にかかる。例年、年末を控えたこの時期には含み損益が発生している保有株を同時に売り、損益通算での課税額を減らす個人投資家が多いとされる。ファストリやTDK、リクルートなど年初来の上昇率が5割を上回る主力株の下げが目立った。
さて、東京株式市場は米ハイテク株高と1ドル=157円台の円安で外部環境は追い風に。ただ、それ以上の買い材料がなくいつものように途中から息切れする展開となった。チャート面では25日、75日、200日といった短期、中期、長期全ての移動平均線を上回ってるのでトレンド的には安定している。一方、日足陰線が多く勢いが続かない様子も鮮明だ。