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【大引け概況】
9日の日経平均株価は大幅に反落し、前週末比684円22銭(2.53%)安の2万6319円34銭で終えた。
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きょうはリスク回避ムード一色の展開となり、日経平均株価は大きく下値を試す展開を強いられた。米長期金利の上昇を背景に米国株市場でハイテク株への売りがかさんでおり、この流れが波及している。
外国為替市場では1ドル=131円台まで円安が進んでいるが、きょうは輸出セクターでもこれを好感する動きはほとんどみられなかった。中国ではゼロコロナ政策による経済活動への影響が懸念されており、ウクライナ情勢の先行き不透明感も全体相場に重荷となっている。日経平均は軟調なアジア株や米株価指数先物の値動きを横目に漸次下げ幅を広げる展開で、ほぼこの日の安値圏で引けている。
 
前週末6日発表の4月の米雇用統計は労働市場の逼迫とそれによるインフレ圧力を改めて確認する結果となり、米10年債利回りは3.1%台まで上昇した。主要なハイテク株で構成するナスダック100株価指数は同日1.2%下落、日本時間9日の取引でも先物の「Eミニ・ナスダック100」6月物は一時1%超下落した。成長(グロース)株を中心に金利上昇の逆風が強く意識され、エムスリー、リクルートなどが大きく下落した。
 
中国関連銘柄の下げも目立った。新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため上海市で都市封鎖(ロックダウン)が実施されるなど、経済活動の制限が続いている。景気の先行き懸念からファストリが6%安、コマツが4%安となった。ロシアの対ドイツ戦勝記念日を迎え、ウクライナ情勢が一段と悪化するリスクも重荷となった。
 
資源関連株の一角は逆行高となった。8日、米欧日など主要7カ国(G7)の首脳はウクライナ支援などについて協議し、ロシア産エネルギーからの依存脱却の方針を示した。資源の先高観は一部の銘柄にはプラスな半面、日本経済全体にはマイナスとの見方があった。
 
東証株価指数(TOPIX)も大幅反落し、37.52ポイント(1.96%)安の1878.39で終えた。東証プライムの売買代金は概算で2兆9545億円。売買高は12億6342万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1598銘柄と約87%を占めた。値上がりは211、変わらずは28銘柄だった。

 
市場からは「米インフレ懸念など不透明要因を抱え、米株動向に左右されるしかない。下がれば押し目買いが入り、切り返せば戻り売りが出てくるとみられるが、当面は決算をみながら個別株物色が中心になる」との声が聞かれた。

 
業種別株価指数(全33業種)では鉄鋼、空運業、サービス業の下落が目立った。上昇は電気・ガス業、海運業、石油・石炭製品。
 
個別では、ソフトバンクグループ(SBG)、キーエンスが安く、東京エレクトロン、任天堂、キーエンスなど値がさ株が売られ、ソニーグループも下落した。ファーストリテイリングは一時4000円を超える下げとなった。オリエンタルランドが急落、2023年3月期(今期)の業績見通しを未定としたJFEは7%安となった。日本製鉄など鉄鋼株も下値を探った。日本製鋼所、JUKIがストップ安となったほか、ジャパンベストレスキューシステム、BEENOS、ミスミグループ本社なども大幅安に売り込まれた。NTTデータも下げて終えた。親子上場解消の思惑から場中に急騰する場面もあった。
 
半面、レーザーテックが戻り売りを浴びながらもプラス圏で着地したほか、株主還元策を検討するとした商い上位の川崎汽船が大幅高となった。新光電気工業が堅調、東京ガスも買いが優勢だった。上限1000億円の自社株買い枠を設定したヤマダホールディングスがストップ高を演じ、ノジマも急騰。TOA、ヒロセ電機も買われた。
 
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