
英国やフランス、米国の財政悪化リスクが意識されるなか、直近で欧米金利に上昇圧力が掛かっていたが、3日の欧米市場で金利上昇は一服した。更に同日の米国株式市場においてナスダック総合株価指数が大幅に反発したことを受け、東京株式市場では投資家のリスク許容度が回復した。主力株を中心に買い戻しが入り、日経平均は154円高で始まった。
主力のハイテク関連に買いが波及した。午後に入ると、アドテストやソフトバンクグループ(SBG)、フジクラなどAI(人工知能)関連銘柄が一段高となり、日経平均は上げ幅を拡大した。
前日の米株式市場でナスダック総合株価指数が上昇した。米利下げ観測などを背景にアルファベットやアップルなどハイテクの一角が買われた。東京株式市場でも日経平均は伸び悩む場面もあった。4万2500円を上回る場面で個人投資家による利益確定売りや年金基金など国内機関投資家の持ち高調整の売りが出た。
その後は株価指数先物に断続的な買いが入り、戻り売りをこなしながら日経平均は上げ幅を拡大。国内の長期金利が低下したことも安心材料となって、午後に入り一時669円高となった。
債券価格の急落(金利の急上昇)リスクが後退したとの受け止めから金融株が買われ、東証33業種のうち銀行業が上昇率でトップとなったほか、データセンター関連の需要拡大が見込まれている電線株の一角が物色された。アジア市場では香港ハンセン指数と上海総合指数が大幅安となったものの、日本株への影響は限られた。プライム市場の値上がり銘柄数は全体の7割弱。