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【大引け概況】
23日の日経平均株価は3日続落し、前日比178円23銭安の2万8995円92銭と、8日以来約2週間ぶりに2万9000円を割り込んで終えた。
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前日の米国株市場で主要株指数が揃って上昇し、米長期金利の上昇一服を受けハイテク株への買いが目立ったことから、東京株式市場でも朝方はこの地合いを引き継ぐ形で広範囲に資金が流入した。日経平均は一時300円以上高い場面もあった。しかし、その後は3月期末を控えた機関投資家の決算対策売りが上値を押さえる格好となり、後場に入ると急速に地合いが悪化した。
 
経済活動の正常化への期待感から、2月以降の上昇相場のけん引役となってきた銀行、鉄鋼、海運などの景気敏感業種への売りが目立った。空運株や百貨店株なども大きく下落した。
 
半面、東エレクなどの半導体関連株やエムスリーなどのグロース(成長)株の一角は上昇した。米長期金利の上昇が一服するなか、ハイテク株を中心に前日の米株式相場が上昇した流れを引き継いだ。もっとも、バイデン米政権が近く総額3兆ドル(約330兆円)の新たな経済対策を提示する見通しと伝わり、国債増発による米長期金利の一段の上昇への警戒感も強く上値は限られた。
 
市場では「個人投資家中心の相場で、買い意欲が持続しなかった」との指摘が聞かれた。空運業や海運業など人やモノの動きに関係する銘柄が売られがちとなり、「変異した新型コロナウイルスが経済の先行きに悪影響を及ぼすとの懸念も消えていない」との声も聞かれた。
 
JPX日経インデックス400は続落した。終値は前日比164.86ポイント安の1万7746.30だった。東証株価指数(TOPIX)も続落し、18.70ポイント安の1971.48で終えた。
 
東証1部の売買代金は概算で2兆8900億円。売買高は13億7129万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1748と約8割を占めた。値上がりは391銘柄、変わらずは55銘柄だった。
 
 

業種別株価指数(33業種)は空運業、海運業、陸運業、銀行業の下落が目立ち、上昇はその他製品。
 
個別では、ファーストリテが小安く、ソフトバンクGやトヨタ自はさえない。このところ堅調だったバリュー(割安)株に売りが出て、三菱UFJなどのメガバンク株や郵船などの海運株は軟調ぶりが目立った。JALやANAHDといった空運株は国内線予約の増加が伝わったが、材料出尽くしムードから大きく下落した。川崎汽、Jフロント、日本製鉄、JR東日本が売られた。
 
一方、米ハイテク株高の流れから任天堂、東エレク、キヤノン、ソニー、エムスリー、キーエンスといった値がさグロース(成長)株が堅調。ポニーキャニオンとの提携を発表した昭文社HDはストップ高を付け、ミクシィとの提携を発表したハブは買い気配のままストップ高比例配分となった。株式分割の実施等を発表したコーア商事HDなども東証1部上昇率上位に顔を出した。Jパワーは堅調で、NTT、KDDIは小じっかりだった。
 
東証2部株価指数は前日比66.75ポイント安の7541.60ポイントと11日ぶり反落した。
出来高2億1524万株。値上がり銘柄数は157、値下がり銘柄数は267となった。
 
個別ではアライドテレシスホールディングス、大運、リード、ギグワークス、玉井商船が売られた。
 
一方、グローバルダイニングがストップ高。フジ日本精糖、石井食品、あじかん、パシフィックネット、ICDAホールディングスなど14銘柄は昨年来高値を更新。理経、黒田精工、バイク王&カンパニー、いい生活、昭和化学工業が買われた。

 
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