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【大引け概況】


29日の日経平均株価は3日続伸し、前日比365円53銭(1.33%)高の2万7883円78銭で終えた。
 
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前日は欧州株市場が全面高だったものの、米国株市場では金利上昇を背景にハイテク株などに売りが出て主要株価指数が揃って下落。これを受けて東京株式市場でも朝方は気迷いムードのなかでスタートした。しかし、その後は駆け込みでの配当権利取り狙いの買いが入ったほか、後場終盤には配当再投資に絡む先物買いが全体相場を押し上げる格好となった。日経平均寄与度の高い一部の値がさ株の上昇も指数押し上げに寄与。取引時間中に外国為替市場でドル高・円安が進んだことも追い風となった。売買代金も3兆3000億円台と大きく膨らみ、3月17日以来となる高水準だった。
 
前日の米株式市場で中国電子商取引(EC)大手アリババ集団の預託証券(ADR)が急伸。同社に出資するソフトバンクグループ(SBG)に運用収益改善を期待した買いが入った。SBGは1銘柄で日経平均を60円ほど押し上げた。
 
午後に入ると、日経平均は上げ幅を拡大した。外国為替市場で円安・ドル高が進み、輸出関連株を中心に追い風になった。大引けにかけては株価指数に連動して運用する投資家の配当再投資に絡んだ株価指数先物買いが観測され、相場上昇に拍車をかけた。

物色に関しては海運、鉄鋼、商社など、配当利回りが高めのバリュー業種がどういった動きを見せるかを注視しておきたい。配当分を落としたところで改めて買われるのか、それとも資金が逃げてしまうのか。きょうの海運株の下げもそこまで大きくはならなかった。これらに配当落ちを待っていたような買いが入るのであれば、指数が早々に落ち分を埋めに行く展開も期待できるだろう。


東証株価指数(TOPIX)は3日続伸し、28.81ポイント(1.46%)高の1995.48で終えた。
 

東証プライムの売買代金は概算で3兆3011億円だった。売買高は13億6674万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1734と、全体の約9割以上を占めた。値下がりは78銘柄、変わらずは23銘柄だった。
 
業種別株価指数(33業種)では鉱業、ゴム製品、輸送用機器の上昇が目立った。下落は海運業のみ。
 
個別では、群を抜く売買代金をこなしたレーザーテックが大きく値を上げたほか、ソフトバンクグループも商いを伴い大幅高。トヨタ、ソニーG、KDDI、キーエンスが買われ、日本製鉄も堅調。任天堂、信越化学工業なども高い。武田薬品工業が上昇し、NTTも買いが優勢だった。ピアラはストップ高。ブイ・テクノロジーが急伸、ブレインパッド、ファイバーゲート、フジテック、RPAホールディングスなども買われた。
 
半面、東京エレクトロンが軟調、日本郵船、商船三井などの海運株も売りに押された。中部鋼鈑の下げが目立ったほか、TOKYOBASE、岡三証券グループが安く、楽天グループ、第一三共も値を下げた。旭ダイヤモンド工業も利益確定の売りが優勢だった。

 
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