前日の米株式市場では、NYダウが408ドル高と値を上げ、S&P500種株価指数は最高値を更新した。米国株が上昇した流れを受け、日経平均株価は4万円台に乗せてスタートした。ただ、昼休み時間中に日銀が金融政策決定会合で政策金利を0.25%から0.5%に引き上げることを発表すると、後場は荒い値動きとなった。結果発表後に国内債券市場では長期金利が上昇し、株式の割高感を意識した売りが次第に強まった。前日まで上昇していたソフトバンクグループ(SBG)やソニーGが下落し、指数の重荷となった。
後場の寄り付き後に、日経平均株価は一時320円近く上昇した。しかし、その後は為替が一時1ドル=155円00銭前後へ円高に振れたことも警戒され、日経平均株価は値を消す展開となった。結局、日経平均は小幅安で取引を終えた。
日銀の利上げは2024年7月会合以来で、政策金利は17年ぶりの水準となる。あわせて公表した「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で、26年度までの物価見通しを24年10月の前回公表時から引き上げ、市場の一部では今後の利上げペースが速まるとの見方が浮上。債券市場で長期金利は一時、前日比0.020%高い1.235%まで上昇した。日米金利差の縮小観測から、外国為替市場で円買い・ドル売りの動きが強まり、トヨタなど自動車株が下落する展開だった。
ただ、追加利上げのペースについては市場の見方が分かれている。市場関係者は26年度の物価見通しの引き上げが小幅だったとして「利上げペースを速めるといったコミュニケーションではなく、先行きの利上げ方針について日銀のスタンスは変わらない」と話す。日銀の会合結果発表直後の外国為替市場では一時的に円安・ドル高の流れとなり、日経平均は強含む場面があった。
東京株式市場は米株高という支援材料が続いたものの日経平均は5日ぶりに小反落してしまった。注目の日銀の利上げは想定通り行われたが、発表と同時に本日の高値を付けてしまい、その後は目先筋の手じまいに押される結果に。来週以降は米株高や半導体株次第で動きが決まる外部頼みの相場が一段と強まりそう。また、日米で12月の四半期決算発表が本格化するため個別では活発に動きそうだ。