朝方から下値を探る展開を強いられた。前日の米国株市場では、米ISM非製造業景況感指数や米雇用動態調査(JOLTS)など堅調な経済指標を受け、米長期金利が8カ月ぶりの水準まで上昇。これを警戒してハイテク株中心に売られ、ナスダック総合株価指数の下落率は1.9%に達した。また、エヌビディア<NVDA>が6%を超える下げとなり、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も4日ぶりに反落。
これを受けて東京株式市場でも市場センチメントが冷やされ、利益確定の動きを誘発した。しかし、半導体関連株が前日同様に強い動きで朝安から切り返し、日経平均は下げ渋り、一時小幅プラス圏に浮上する場面もあった。
値がさの半導体関連株が買われた。アドテストが朝安後に上昇し、株式分割考慮ベースの上場来高値を更新。東エレクも上昇に転じた。国内金利の上昇による利ざや改善期待から銀行株の一角が買われた。
ただ、半導体関連以外は総じて軟調で戻し切れなかった。
米利下げペースが鈍化するとの観測から前日の米株式相場が下落した流れを受け、幅広い銘柄に売りが優勢となった。
前日の米国株安を考慮すると、本日の東京株式市場では半導体関連株に対する下押し圧力は強まるのではないかと考える向きは多かったものの、AI需要の盛り上がりが続くとの期待から意外高となった。また、日経平均は4万円を挟んだ展開となっているが、米国市場は9日、カーター元米大統領の国葬で休場になり、10日には米雇用統計の発表を控えているため、海外勢が積極的に売り買いを仕掛けてくるとは想定しづらく、目先は短期筋中心の商いが中心となりそうだ。