前日の米株式市場では、NYダウは461ドル高と大幅続伸し、ナスダック指数も反発した。これを受け、東京株式市場も買いが優勢となり値を上げてスタート。朝方の買い一巡後は一時50円超高まで上昇幅が縮小し3万8000円ラインに接近する場面があったが、下値には買いが入り、その後3万8400円台まで値を上げた。後場に入ってからは、3万8300円台を中心とする一進一退の展開が続き上値は重い展開となった。半導体関連や銀行、電線株が買われ、海運株が軟調だった。
決算を20日夕に発表した米半導体大手エヌビディアは時間外取引で下落したが、21日の通常取引で上昇に転じたことが東エレクやアドテストなど関連株の追い風となった。アクティビスト(物言う株主)による買い増しが明らかとなった帝人が大幅高になるなど、材料が出た銘柄への個別物色も活発だった。短期筋によるショートカバー(売り方の買い戻し)の動きも相場を押し上げたとの見方があった。
日経平均の上げ幅は午前に400円に迫る場面もあったが、午後は明確な上値追いの材料を欠き、戻り待ちや利益確定の売りが上値を抑えた。今年の日経平均の価格帯別売買高は3万8000〜3万9000円の水準で最も膨らんでおり、同水準では売り圧力が強まりやすいとされる。日銀が12月の金融政策決定会合で政策金利を引き上げるとの観測が高まっており、円高進行や金利上昇への警戒も投資家の買いの手を鈍らせた。
日経平均は反発したものの、75日線(3万7900円程度)水準を下値に、200日線(3万8500円程度)を上値にしたレンジ内の動きにとどまっている。足元では、次期トランプ政権の関税引き上げ政策への警戒感、日本企業の業績伸び悩み懸念、ウクライナとロシアを巡る地政学リスクの高まりなど見極め材料が山積していることが主な要因と言えるだろう。目先的にはロシア・ウクライナ情勢で、今週末に一段と戦闘状態が激化するのかどうかなどを見極める必要がある。
一方、米国では来週26日に11月のコンファレンスボードによる消費者信頼感指数、27日には10月の個人消費支出(PCE)デフレーターなどの経済指標の発表が予定されており、米国市場の動きをにらみながらの展開に変化はなさそうだ。