
米景気減速への警戒から円相場が対ドルで強含んだことを受け、自動車など外需関連株の多くが売りに押された。半面、値がさの半導体関連株の一角が急伸したほか、海外短期筋とみられる株価指数先物の買い戻しが断続的に入り、日経平均は急速に下げ渋る場面もあった。
きょうは朝方安く始まった後、先物を絡めたインデックス買いで下げ渋る場面はあったがプラス圏には切り返すことができず、その後売り直される展開となった。前日開示された5月の米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業(サービス業)景況感指数が景況感の悪化を示したほか、5月のADP全米雇用リポートの非農業部門の雇用者数が市場予想に届かなかった。米経済指標を受け米景気減速への警戒感が浮上、外国為替市場ではドルが売られ、一時1ドル=143円台を割り込む円高が重荷となった。トランプ関税に関する先行き不透明感も拭えないなか、目先利益確定を優先する動きが上値を押さえた。日経平均の3万7000円台後半から3万8000円大台近辺は滞留出来高が多く、戻り売り圧力の強さが意識されやすくなっている。
関税を巡る米中交渉に市場の関心が向かうなか、米国は中国がレアアース(希土類)の輸出規制を緩和していないことに反発しているとされる。市場では「中国側は態度を軟化させる様子はなく、慎重な見極めが必要。米景気悪化によって早期の利下げ観測が高まっても円高進行を伴う可能性があり、日本株の上値は追いづらい」との見方があった。