
前週末16日の米株式市場では、NYダウが331ドル高と続伸したが、大手格付け会社ムーディーズ・レーティングスが取引終了後に米国債の信用格付けを「Aaa(トリプルA相当)」から「Aa1(ダブルAプラス相当)」に1段階引き下げた。。この米国債格下げの影響が警戒されるなか、週明け19日の日経平均株価は下落してスタート。米ミシガン大が16日発表した5月の消費者態度指数(速報値)が低調な結果となったことも投資家心理の重荷となり、朝方には前週末に比べ200円を超える下落となり、3万7500円まで値を下げる場面があった。
為替相場は午前10時頃に一時1ドル=144円台後半へ円高が進んだ。売り一巡後は値頃感からの買いも流入し、下げ渋る動きをみせたが、後場に入り再び売りが膨らみ午後1時過ぎには一時300円を超える下落となった。米株価指数先物が下落し、今晩の米国市場の動向が警戒された。大引けにかけては3万7500円を上値とする一進一退が続いた。海運株が売られ薬品株が買われた。
円相場の上値は重かったことから株売りの勢いも限定的で、日経平均は下げ渋る場面があった。市場関係者は、「米格下げ自体が日本株に直接影響を与える可能性は低いが、足元の相場全体の過熱感が利益売りの理由になった」と指摘。投資家の関心は今後の企業業績に影響を与える日米関税交渉の行方に集中しており、それまでは動きにくい展開が続くとみていた。
米国債の格下げはある程度想定されていただけに、過剰反応とも言えよう。ただ、グローベックスの米株先物が弱含みで推移していることもあり、週明けの米国市場の動向を見極めたいとするムードのなか、押し目狙いの買いは限られたようだ。過熱感を警戒する向きもあり、そのなかで持ち高調整の流れに向かわせたようである。
一方、投資家の関心は、20日から開催される先進7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議での日米財務相会談や、今週後半に予定される3回目の日米通商交渉の行方で関税率の引き下げがあるのかどうかだろう。それまでは様子見ムードの強い展開が予想されるだろう。