
前日の米国株市場で景気敏感株や金融株などが売られNYダウが反落しほぼ安値引けとなったことを受け、朝方から利益確定売り圧力の強い地合いとなった。取引時間中にトランプ米大統領がFRBのクック理事を解任すると発表し、これを受けて、外国為替市場でドル安・円高方向に振れたことなどが輸出セクターなどに逆風となり、株価の下げを助長する場面があった。
日経平均は一時600円以上下落し、4万2100円台まで水準を切り下げたが、その後は押し目買いや買い戻しが下値を支え下げ渋る展開をみせた。売買代金上位の主力株に値を下げるものが目立ち、値下がり銘柄数はプライム市場全体の73%を占めている。
朝方に1ドル=147円台後半で推移していた円相場が一時146円台まで上昇し、歩調をあわせて日経平均は下げ幅を広げた。トランプ氏は米テック企業にデジタル税などを課している国に対して追加関税を課す考えも明らかにし、米関税政策の先行き不透明感も株価の重荷になった。
売りが一巡すると日経平均は下げ渋り、400円安程度で推移した。クック理事が「辞任しない」と表明したと伝わり、円相場が再び1ドル=147円後半まで下落した。
テクニカル面で日経平均は25日移動平均(4万1820円近辺)の水準が下値支持線として意識されている。「米利下げ観測を背景にした株高局面に乗り切れなかった投資家たちの押し目買いが入りやすい」との指摘があった。
さて、東京株式市場はなかなかすっきりと回復に向かえない相場となっている。日経平均は本日のように下値4万2000円近くまで来ると下げ渋るようにはなっているが、最近は実需が落ちていて上値の重い状態が続いている。本日はトランプ大統領がSNSでFRB理事の解任を発表するというネガティブな要因も入っている。トランプ独断政治に慣れてきたとはいえニュースのヘッドラインに反応するのは仕方ないだろう。