
2月21日(3万8776円)以来、約3カ月ぶりの高値水準となる。
きょうは主力株を中心にリスクを取る動きが一気に強まった。日経平均は高く始まった後も先物を絡め急速に上げ足を強める格好となった。前日の欧米株市場は総じて軟調な値動きとなったが、日本時間早朝に開示された米半導体大手エヌビディア<NVDA>の決算内容がおおむね好調で、時間外で大きく買われたことから、これを横にらみに東京市場でも半導体関連をはじめ幅広い銘柄に物色の矛先が向いた。
また、朝方にニューヨークの国際貿易裁判所がトランプ関税について一部差し止める決定を下したことが伝わると、外国為替市場ではドル高・円安が加速、これも自動車やハイテクなど輸出セクターなどを中心に市場センチメントを強気に傾ける背景となった。日経平均は後場に入っても緩まず、結局この日の高値近辺で取引を終えている。
米国時間28日にエヌビディアが発表した2025年2〜4月期決算は売上高が前年同期比69%増の440億6200万ドルと市場予想を上回った。生成人工知能(AI)の強い需要は続いているとの見方から、東エレク、アドテストなど半導体関連株に連想買いが入り、日経平均の押し上げ要因となった。
米国際貿易裁判所が28日(日本時間29日午前)、トランプ米大統領が発動した関税を違法だとして阻止する判断を下したことも投資家心理を強気に傾けた。米国の通商政策による世界経済の減速懸念が後退するとの思惑を誘い、海外短期筋による円売り・ドル買いと株価指数先物への買いが加速した。
大引けにかけては赤沢亮正経済財政・再生相の発言を受けた日米関税交渉の進展期待から、日経平均はさらに強含んだ。市場関係者は「エヌビディア決算やトランプ米政権の強気姿勢が続かないとの見方が株高の主な背景だが、米株市場の一極集中から資金を世界各地に分散する動きが多くの機関投資家に出ていることも後押ししている」と話した。