
きょうの東京株式市場は、寄り付きは先物主導で買い優勢に傾き、日経平均は一時450円あまりの上昇を示しフシ目の4万円大台を回復する場面があった。しかし、その後は利益確定売りの動きが強まり、再び3万9000円台に押し戻された。午後の取引ではマイナス転換し更に下値を試す地合いとなったが、後半になると再び流れが変わり、先物に引っ張られる形で一貫して下げ幅を縮小する展開に。20日の参院選は与党が大きく議席数を減らし過半数割れとなったが、株式市場ではおおむね織り込みが進んでおり、朝方は買い戻しが利いて想定外の上昇を示した。
しかし、8月1日に期限を迎える日米関税交渉の先行き不透明感が拭えないほか、今後の政局への不安感が買いを手控えさせる要因となった。ただ、3万9000円台では押し目買いニーズも反映された。なお、TOPIXは小幅ながらプラス圏で引けている。
日中値幅(高値と安値の差)は689円と4月11日(1326円)以来の大きさだった。
21日の米株式市場ではS&P500種株価指数が最高値を更新。ナスダック総合株価指数は連日で最高値を更新した。東京市場ではソフトバンクグループ(SBG)やアドテストなどの指数寄与度が大きい銘柄に買いが波及し、日経平均の上げ幅は400円を超える場面があった。
自民と公明両党は20日に投開票された参院選で目標に掲げた50議席を下回り、非改選を含めて参院全体の過半数を割り込んだ。改選で39議席を得た自民党について、過去最低の議席数(36)は上回ったことから想定以上の大敗は避けられたとの受け止めもあり、いったん日本株を買い戻す動きにつながった。
しかし買いの勢いは続かず、午後に下げに転じた。次第に政権基盤の不安定化や米国との関税交渉力の低下が意識された。8月1日には米相互関税の上乗せ分の発動期限を迎える。市場関係者は「石破茂政権のもとでは関税交渉がまとまらないとの見方が広がると、退陣要求が強まる可能性がある」と指摘。さらに「政治情勢の不透明感があるなかで日経平均が午前に4万円に乗せたのは意外感が強く、目先の達成感から個人投資家などの利益確定売りが出やすかった」とみていた。
さて、東京株式市場は連休中の米ハイテク株高が追い風となったが、心理的なカベである日経平均の4万円は案外効いているようで、本日もここを超えた後に売られるもどかしい状況が続いている。参院選の結果はそこまでネガティブなものではなかったが、米国との関税交渉が決着すれば首相は辞任するとの見方もあり政局流動化は8月以降まで引きずることになりそう。なかなかすっきりしない相場展開だった。