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【大引け概況】


27日の日経平均株価は3営業日ぶりに反落し、大引けは前週末比177円86銭(0.53%)安の3万3447円67銭だった。

 
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最近の急速な相場上昇を受けて高値警戒感が強まり、目先の利益を確定する売りが優勢になった。前週末の米ダウ工業株30種平均の上昇を受けて朝方は買いが先行し、7月3日につけた年初来高値(3万3753円)を上回る場面もあった。
 
寄り付きはリスク選好ムードのなか日経平均が上値を指向、朝方に180円以上の上昇で3万3800円台まで水準を切り上げる場面があった。しかし上値は重く、その後は一貫して売りに押される展開となり、前場取引中盤にはマイナス圏に沈んだ。
 
前週末の欧州株市場がほぼ全面高に買われたほか、米国株市場でもFRBによる利上げ打ち止め観測が広がるなか、NYダウが続伸するなど頑強な地合いだった。東京市場も朝方はこれを引き継いだものの、きょうも3万3000円台後半の売り圧力に屈する形で、終値でのバブル後高値更新はならなかった。日経平均は今月に入って2700円あまりの上昇を見せていたことで、目先高値警戒感が意識されている。
きょうは為替市場でドル安・円高方向に振れたことや、アジア株市場がほぼ全面安となったことも投資家心理を冷やした。
 
海外勢は11月第3週(13〜17日)まで、日本の現物株と先物の合計で2週連続で1兆円を超える高水準の買い越しとなるなど、日本株への買い意欲は強い。だが、日経平均は11月に入って急ピッチの上昇が続き、前週末までに2700円あまり上げたため、一方的な上値追いへの警戒感も広がりやすかった。中国の景気減速への懸念などから27日の中国・上海などアジア株相場が下落したことも日本株売りを促した。
 
日経平均は11月に入り急上昇してきただけに、上値追いに慎重な見方も出始めている。また、心理的な節目の3万4000円を超えて買い上がる好材料も見当たらない。一方、配当の再投資への期待が高いほか、海外投資家が2週連続して1兆円超の買い越しとなるなど外国人投資家の買い継続への期待もあり、押し目狙いの買い意欲は強そうだ。目先は海外短期筋による投機的な先物買いと、中長期目線の投資家などの利益確定売りが交錯しそうである。


 

東証株価指数(TOPIX)は3営業日ぶりに反落した。終値は前週末比9.18ポイント(0.38%)安の2381.76だった。JPXプライム150指数も3営業日ぶりに反落し、終値は5.75ポイント(0.54%)安の1054.79だった。
 
東証プライムの売買代金は概算で3兆1053億円、売買高は12億4822万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は973。値上がりは631、横ばいは55銘柄だった。
 
業種別株価指数(33業種)では非鉄金属、機械、輸送用機器の下落が目立った。上昇は銀行業、海運業、水産・農林業など。
 
個別では、三菱商事や三井物産などの商社株、トヨタ自やホンダなどの自動車関連株が軟調に推移。また、JR東日本やJR東海などの陸運株、日本航空やANAなどの空運株、レーザーテック、東エレク、ソフトバンクグループ(SBG)、三菱重サイバーエージェント、キーエンス、三菱重工業なども下落した。ほか、9年ぶりの公募増資実施を発表したゼンショーHDが大幅下落、Ubicomホールディングス、クロスキャット、TSIホールディングスなどが値下がり率上位となった。
 
一方、川崎船や日本郵船などの海運株、三菱UFJや三井住友などの金融株が堅調に推移。また、ファーストリテ、リクルートHD、JT、任天堂、ファナック花王、シャープなども上昇した。ほか、1対2の株式分割実施を発表したニチモウが上昇、システナ、霞ヶ関キャピタル、コジマなどが値上がり率上位となった。
 
 
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