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【大引け概況】


16日の日経平均株価は3営業日ぶりに小幅反落し、前日比2円87銭(0.01%)安の2万8868円91銭で終えた。
 
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最近の急ピッチな相場上昇で高値警戒感から利益確定売りが先行したが、下値では押し目買いも入り、前日終値を挟んで小動きの展開が続いた。
 
8月NY連銀製造業景気指数が大幅に落ち込んだことやゼロコロナ政策に伴う中国の低調な経済指標もあり、景気減速懸念から売りが先行。ただ、金利低下に伴うハイテク株の上昇が相場を支援し、主要株価指数は揃って上昇に転じて終了した。
 
日経平均は前日までの2営業日で1000円超上昇したうえ、心理的な節目の2万9000円が視野に入っていたこともあり、利益確定や戻り待ちの売りが先行した。テクニカル指標面などから短期的な過熱感を指摘する声もあるなか、下げ幅は一時100円を超えた。
 
しかし下値では押し目買いが入り、下げ渋って上昇する場面も目立った。米国でインフレがピークアウトして米連邦準備理事会(FRB)が利上げペースを緩めるとの期待が投資家心理を支え、グロース(成長)株の一角などに買い戻しが入った。
 
市場からは「利益確定売りの一方で、押し目買いニーズは根強く値を保っているが、商いは萎んできている。日経平均2万9000円超えに向けた材料は乏しく、確率的にはガス抜きが始まる可能性が高い」。また、「9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)まで間があるうえ、国内企業の決算発表が一巡して株価の下振れリスクが低下している。3月9日に付けた年初来安値(2万4717円)から6カ月後の信用期日が近づき、売り方は買い戻しを進めている」との声が聞かれた。
 
東証株価指数(TOPIX)は3営業日ぶりに反落し、前日比3.00ポイント(0.15%)安の1981.96で終えた。

 

 
東証プライムの売買代金は概算で2兆4062億円。売買高は9億6965万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は953、値上がりは790、変わらずは95だった。
 
業種別株価指数(全33業種)では、海運業、石油・石炭製品、鉱業の下落が目立った。上昇は、その他製品、空運業、サービス業など。
 
個別では、米中経済指標の下振れで景気後退懸念が強まるなか、郵船、川崎汽船、商船三井の大手海運が軒並み大幅安。NY原油先物価格が1バレル=90ドルを割り込んだことでINPEX、コスモエネHD、出光興産が下落。資源価格も全般下落しており、三菱マテリアル、大紀アルミニウム、大平金なども安い。マツダ、日産自などの自動車関連のほか、川崎重工業、IHIの機械・防衛関連、村田製、TDKの電子部品関連の一角も軟調。今期減益見通し及び中計目標の物足りなさが嫌気されたテスHDが急落したほか、第1四半期が大幅減益となったUMCエレも大きく売られ、東証プライム市場の下落率上位に並んだ。第1四半期減益決算が嫌気されたSBIHDも下落となった。
 
一方、東証プライム市場の売買代金上位ではダブル・スコープ、ギフティが急伸し、レノバ、エムスリー、メルカリ、ZHD、サイバーも大きく上昇。SHIFT、ラクスなどのグロース(成長)株も全般高い。バンナムHD、コナミG、スクエニHD、コーエーテクモHDといったゲーム関連も総じて強い動き。前日に決算を発表したレアジョブ、リブセンスは揃って急伸し、東証プライム市場の上昇率上位に並んだ。高水準の自社株買いが好感された日機装、旧村上ファンド系のシティインデックスイレブンス等による株式の大量買い付けで思惑が強まったジャフコGなども急伸。トレンドやNTTデータが上げた。好決算やアマゾン・三井物産との資本業務提携が好感されたアイスタイルはストップ高比例配分となった。

 
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