
前日の米株式市場は、ハイテク株などが軟調でNYダウは152ドル安だった。東京株式市場は、前日まで日経平均株価が3日続落していたこともあり小幅に値を上げてスタートし一時100円を超える上昇となった。
ただ、上値は重く午前9時10分過ぎには270円を超える下落となった。しかし下値には買いが入り売り一巡後は値を戻した。後場に入ってからは狭いレンジで小安い状態が続いたが、結局、大引けにかけ小幅高となり取引を終えた。ジャクソンホール会議でのパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演を今晩に控え、様子見姿勢は強く、売買代金は4兆円割れとなった。銀行・保険・証券など金融株が堅調で、空運や化学株などが軟調だった。
下げる場面も目立ったが、円の対ドル相場の下落が自動車など輸出関連株の買いを誘い、底堅かった。個人投資家などの押し目買いも下値を支えた。
東京外国為替市場で円相場は1ドル=148円台半ばを中心とした動きとなり、前日夕時点と比べて1円ほど円安に振れた。トヨタやマツダなど輸出関連株の買い材料となった。日米の長期金利の上昇を背景に、利ざや拡大の期待から三菱UFJなど銀行株が買われた。東京海上など保険株の上昇も目立った。
米エヌビディアが中国向け人工知能(AI)半導体関連の生産停止を調達先に要請したと米メディアが報じ、東京市場のアドテストなど関連株を下押しし、日経平均は下げ幅が200円を超える場面があった。ただ、下値を売り込む動きは限られた。日本時間22日夜にパウエルFRB議長の講演が予定されており、米金融政策の先行きを巡る発言に市場は注目している。
さて、東京株式市場は短期的な調整が一巡しつつあり、日経平均もトピックスも上昇へ転じてきた。トピックスは下値10日移動平均線にサポートされており日経平均よりもしっかりとした状態。上場全銘柄が採用されている指数なので、こちらを見るかぎり市場は着実に反転態勢へ入りつつある。東証スタンダード指数は早くも最高値を更新。来週は全体が戻りを試す展開が予想されるだろう。