
きょうは方向感の定まらない動きとなった。前日の欧米株市場がほぼ全面高様相となり、米国ではハイテク株中心に買いが広がり、半導体関連株なども物色され全体を押し上げた。外国為替市場でドル高・円安に振れたこともあって、東京株式市場でも朝方はリスク選好の地合いとなった。しかし、日経平均は寄り付き3万8000円大台ラインを突破したものの、その後はすぐにこの日の天井を形成し、一貫して伸び悩む動きとなり、結果的にほぼ寄り天に近い状況となった。トランプ米政権がEUに対する高関税の発動時期の延期を表明したことはポジティブ材料ながら、欧米に先立って東京株式市場は織り込みが進んでいたため、きょうは上値の重さが意識された。
日経平均は朝高後に次第に上げ幅を縮め、午後に下げに転じた。株式相場が急落した2024年の夏以降でみると3万8000円台は商いが多く、この水準に近づくと戻り待ちの売りが出やすかった。このところ上昇していたIT(情報技術)やゲーム関連株などが下げた。
財務省が28日実施した40年物国債入札で、最高落札利回り(複利ベース)は3.1350%と、40年債入札が始まった2007年11月以降で最高となった。国内金利の先高観も海外短期筋の株価指数先物の手じまい売りを促した。
トランプ米大統領が欧州連合(EU)に対する関税の発動延期を表明し、3連休明けの27日の米株式市場でダウ工業株30種平均は大幅に反発した。エヌビディアなど半導体関連が買われ、東京株式市場でもアドテストなどに買いが先行した。円相場が対ドルで下落し、自動車を中心とした輸出関連株には買いが向かう場面もあった。
さて、東京株式市場はトランプ関税にかなり足腰を鍛えられているようで本日の日経平均は米株高によって一時3万8000円台を回復。200日移動平均線(3万7798円)に迫り再び長期におけるトレンドも立て直しつつある。トピックスは直近の5月13日高値を超えて、3月26日の年初来高値まであと2%の距離に迫っている。