
前日の米株式市場は、NYダウは192ドル高と続伸し、ナスダック指数やS&P500種指数は最高値を更新した。米株高を好感して、東京株式市場も値を上げてスタート。日経平均株価は朝方には3万9950円台まで買われ、300円を超える上昇となった。
半導体関連株などハイテク株が買われた。ただ、買い一巡後は一転して売りに押される展開となり、午前9時20分過ぎにはマイナス圏に転じた。ファーストリテイリングが、前日発表の決算内容が嫌気されて大幅安となったことも相場を押し下げた。
その後、3万9500円前後の水準では買いが入り、後場にかけ前日終値を前後する一進一退が続いた。週末で積極的な買いは手控えられるなか、大引けにかけて軟調展開が続いた。日経平均株価はファーストリテイリングが1銘柄で262円あまり押し下げた格好だが、TOPIXは小幅に上昇した。なお、日経平均先物ミニ・オプション7月物の特別清算指数(SQ)値は4万4円61銭だったとみられている。
トランプ米大統領がカナダからの輸入品に8月1日から35%の関税をかけると10日に表明するなど、米関税政策への警戒も日本株の重荷となった。日本では20日に投開票の参院選や日米の関税交渉の行方が見通せず、戻り待ちの売りが出やすかった。
市場では「最終的な関税率の着地がみえず、企業は設備投資に慎重になりやすい。2025年4〜6月期の決算発表が本格化するのを前に、日本株の上値は重くなりそうだ」との見方があった。
下値も堅かった。10日の米株式市場ではS&P500種株価指数とナスダック総合株価指数がそろって最高値を更新した。11日の東京市場ではレーザーテクやディスコなどに買いが波及した。アドバンテストは株式分割考慮ベースの最高値を連日で更新した。