朝方は先物主導で日経平均が4万円大台を回復してのスタートとなった。しかし、その後は急速に値を消しマイナス圏に沈み、3万9500円台まで押し返された。リスク回避ムードは一部の主力値がさ株に集中し、売買代金上位の半導体製造装置や電線株への利益確定売り圧力が際立った。
前週末の米国株市場で半導体セクターが軟調だったことに加え、中国新興AI企業「ディープシーク」が開発した低コストで高性能の新たなAIモデルを開発したことを米メディアが報じ、AI向け最先端半導体に対するニーズが急減速するとの思惑が関連株への売りに反映された。
米株価指数先物が日本時間27日の取引で大幅に下落。国内のAI関連とされる銘柄にも売りが波及した。
一部の半導体関連銘柄の下げはきつかったが、東証プライム市場を見渡すと、値下がり銘柄数は324にとどまり、値上がりは1280、横ばいは37だった。三菱UFJやみずほFGなどが上昇。中国の春節(旧正月)休みの訪日客需要への期待から、百貨店株が買われた。鉄道株のほか、不動産株も買いが目立った。
本日はアドバンテスト、ソフトバンクグループ、東京エレクトロンの3社で日経平均株価を530円超押し下げる形となった。米エヌビディアなど半導体株の動向には、しばらく神経質になりそうである。そのほか、28日から始まる米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果に投資家の関心が集まる。FOMCでは利下げ見送りがコンセンサスとなっているが、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の発言内容にも注目したいと考える投資家が多く、目先的には模様眺めムードが強まりそうだ。