前日の米国株市場でNYダウが4日ぶりに反発したほか、ナスダック総合指数が7日続伸し過去最高値を更新したことなどを受け、日経平均も朝方はリスクオンの流れに乗って高く始まった。ナバロ大統領補佐官の発言を受け米中摩擦が悪化することへの懸念から、米株価指数先物を横目に値を崩す場面があったものの、立ち直りプラス圏に再浮上した。
米ハイテク株高を支えに、成長期待の高い半導体関連株などに買いが集まった。割安感のある景気敏感株を物色する動きもあり、相場を押し上げた。日経平均の上げ幅は一時250円を超えた。
午前の取引時間中に米メディアなどが「ナバロ大統領補佐官が『中国との通商協議は終わった』と発言した」と報じると、コンピューターのアルゴリズムを駆使する投資家の先物売りが出た。サウジアラビアがミサイル攻撃を受けたとする一部報道も売り圧力を高める材料となった。日経平均の下げ幅は一時180円まで広がった。
その後、ナバロ氏が米紙ウォール・ストリート・ジャーナルに対し、報じられた発言の趣旨は異なると釈明すると下げは一服。トランプ米大統領が「米中貿易合意は完全に無傷だ」とツイッターに投稿したことも米中関係に対する悲観を和らげた。
日経平均は後場寄りに一段高となり2万2700円近辺まで上昇する局面があったが、薄商いのなか積極的に上値を買い進む動きも見られず、その後は2万2600円台で一進一退の動きとなった。
市場関係者は「値動きが広がって売買代金はやや増えたが、取引は短期筋が中心。様子見姿勢を続ける投資家が少なくない」と指摘した。
JPX日経インデックス400は反発。終値は前日比65.92ポイント高の1万4293.21だった。東証株価指数(TOPIX)は5営業日ぶりに反発し、8.05ポイント高の1587.14で終えた。
東証1部の売買代金は概算で2兆2716億円。売買高は11億9280万株だった。
東証1部の値上がり銘柄数は1358と全体の約63%を占めた。値下がりは706、変わらずは103銘柄だった。